• 佐藤 和弘

「守り」から「攻め」の退職のマネジメントへ


「スタッフが辞めた」という話を聞いた際にまず聞くことがある。それは、「2:6:2のどこのスタッフが辞めたんですか?」。


抵抗派スタッフが辞めたのであれば、推進派や慎重派スタッフにとっても、そして実は、抵抗派スタッフ本人にとっても良いことである。現状満足が一番居心地が良いと感じる抵抗派スタッフが辞めるということは、その組織が【あるべき姿】と【現状】とのギャップを埋める空気(変革する空気)に変わってきていることを意味する。そのような居心地が悪いバスに乗り続けるより、もっと自分にあった居心地が良いバスに乗り換えるほうが、抵抗派スタッフにとっても幸せである。


だが、推進派スタッフが辞めたのであれば大問題である。なぜならば、「ここは、本当に頑張ってるスタッフが報われない施設である」ということを、わざわざ地域に表明しているようなものだからだ。そうすると、「あそこに行っても報われないから、他の施設にしよう」と噂が噂を呼び、地域の2:6:2の推進派医療者に自分の施設を選んでもらえなくなってしまう。これでは、人材マネジメントにおいて最も重要な「採用」のマネジメントに大きな影響を及ぼしてしまう。


このように、「スタッフが辞めた」という事実は、それが抵抗派スタッフなのか推進派スタッフなのかによって、180度意味合いが変わってくる。ただ肝心なのは、現状満足の組織では、抵抗派スタッフは辞めず、推進派スタッフが辞めてしまいやすいことだ。


そして、推進派スタッフが辞めるという選択を取るとき、それは「配置」「評価」「報酬」「育成」のいずれか(も)における、自分の期待と実際のギャップの域値を超えた時である。だからこそ、推進派スタッフに「辞めようと思います」と言われた際はもう時すでに遅しで、そうならないために、推進派スタッフが報われる「配置」「評価」「報酬」「育成」の仕組みづくりを積極的に行っておかなければならない。




© 2013 by Kazuhiro Sato