top of page
  • Writer's picture佐藤 和弘

「本来推進派にあたるはずのスタッフが、抵抗派の仮面を被せられてしまう」という状況

組織変革の観点から見えてくる1つの悲劇は、本来推進派にあたるはずのスタッフが、「このままでいい」「変わりたくない」「新しいことをやりたくない」といった現状満足の(ネガティブな)空気に支配されている組織の中では、逆に抵抗派としてとらえられてしまいかねない、ということです。


一般論として、本来抵抗派にあたるスタッフの立場からすれば、自分が抵抗派であると自覚してはいないと考えるのが自然でしょう。そしてむしろ、居心地が良い現状満足の空気に水を差すスタッフこそが抵抗派であるととらえてしまうことも、やはり自然なことかもしれません。


「抵抗派」と一言で言っても、変化に適応しようという空気が広がっている組織において抵抗派としてとらえられるのと、現状満足の空気に支配されている組織において抵抗派としてとらえられてしまうのでは、その意味合いは大きく異なります。おそらく、後者は前者に比べて、強烈な排除の論理が働きやすいはずです。


現状満足の組織において、本来推進派にあたるはずのスタッフが抵抗派としてとらえられ、排除の論理が働き、その圧力に押され、落胆してバス(組織)から降りていく。こうして、「本当に頑張っているスタッフが報われない」事実が出来上がり、それを側で見ていた慎重派の「沈黙という同調」がさらに強まってしまう。これが、現状満足の空気が現状満足の空気をつくる(一つの)メカニズムなのかもしれません。だからこそ、


「本来推進派にあたるはずのスタッフが、抵抗派の仮面を被せられてしまう」


このような状況に追い込まれるスタッフを増やさないようにしなければなりません。

Recent Posts

See All

リーダーが「あっちに行きましょう!」と旅の道筋を示した時、スタッフのフォロワーシップで大切なのは「一旦だまされたと思ってついて行ってみる」ことだと言えます。 結局、何が正しいかは実際にやってみなければわからないというのは、多くの人が納得することではないかと思います。「これはいける!」と思ったことが上手くいかなかったと思えば、「これは無理だろう・・・」と思ったことが案外上手くいったり。 もちろん、だ

立場(地位や職位、権限)によらずに誰かを動かす時、その人はリーダーでありリーダーシップを発揮していることになりますが、それ以前に、そもそも自分自身をリードしている(自分に対してリーダーシップを発揮している)と考えることもできます。このように、 「リーダーシップは自分自身に向けることから始まる」 ととらえると、自らが行動するモチベーションを維持するために「安心感の醸成」が大切になります。 そして、そ

組織変革と空気のマネジメントの観点から言えば、ヨソ者の本質的な価値は「餅は餅屋」の専門性にあるのではなく、ムラ(組織)の住民ではないこと、つまりヨソ者であること自体にあります。 たとえリーダーであっても、同じムラの住民ですから、日々の暮らしの中でのさまざまな交流を通じて、他の住民(スタッフ)との関係性が出来上がっています。 もちろん、信頼されている、仲が良いといった関係性だけを見ると良いことのよう

bottom of page