top of page
  • Writer's picture佐藤 和弘

「模倣できる事例」をつくってしまわない

有事は実際に有事に遭遇しなければ気づかない。だが、気づいた時にはもう遅い。


先人たちも遭遇したこのジレンマ。その貴重な経験から得られる教訓は、「模倣できる事例」をつくってしまわないことだ。


有事への道は一直線でない。様々な分かれ道(選択肢)の中で一つの道を選び、いくつもの引き返し不能地点を越えて有事に至る。


そのうえで、ある分かれ道での選択の際に大きな影響を与えるのが、過去の分かれ道での選択。その時に一つの道を選んだ結果、他者はどのような反応を示したのか。もしそれが、他者からの称賛を得るものであったのであれば、「今回もそれを真似てやれば良い。他者もあの時に賛同したのだから、今回になって批判はできないはずだ」と考えても無理はない。


こうして、過去の模倣できる事例を根拠に、組織にとって都合の良いように、他者が批判できない空気をつくっていき、結果、その空気によって自らを止められなくなってしまう。


過去の有事には、有事へと向かう組織の暴走のメカニズムを明らかにする教訓が膨大に存在する。だからこそ、次の言葉を深く受け止めなければならない。


「私は〈昭和十年代から教訓を学ばない者は昭和十年代から報復を受ける〉という言を改めて確認したいのだ。」

https://www.amazon.co.jp/dp/B009AAIAM6/ref=cm_sw_r_cp_api_i_lg3yEb6PPJQG2?fbclid=IwAR0SD03GDiLKhJhkSQFfZLZMlWfpCjRPjbKUYAQPoxyU8PF6Iao_xpoQvvw

Recent Posts

See All

リーダーが「あっちに行きましょう!」と旅の道筋を示した時、スタッフのフォロワーシップで大切なのは「一旦だまされたと思ってついて行ってみる」ことだと言えます。 結局、何が正しいかは実際にやってみなければわからないというのは、多くの人が納得することではないかと思います。「これはいける!」と思ったことが上手くいかなかったと思えば、「これは無理だろう・・・」と思ったことが案外上手くいったり。 もちろん、だ

立場(地位や職位、権限)によらずに誰かを動かす時、その人はリーダーでありリーダーシップを発揮していることになりますが、それ以前に、そもそも自分自身をリードしている(自分に対してリーダーシップを発揮している)と考えることもできます。このように、 「リーダーシップは自分自身に向けることから始まる」 ととらえると、自らが行動するモチベーションを維持するために「安心感の醸成」が大切になります。 そして、そ

組織変革と空気のマネジメントの観点から言えば、ヨソ者の本質的な価値は「餅は餅屋」の専門性にあるのではなく、ムラ(組織)の住民ではないこと、つまりヨソ者であること自体にあります。 たとえリーダーであっても、同じムラの住民ですから、日々の暮らしの中でのさまざまな交流を通じて、他の住民(スタッフ)との関係性が出来上がっています。 もちろん、信頼されている、仲が良いといった関係性だけを見ると良いことのよう

bottom of page