• 佐藤 和弘

「美しい言葉(ビッグワード)」に逃げず「普通の言葉(スモールワード)」を使って考える

平時の医療において、スタッフ1人ひとりの本当の「生の声」を聴くことは難しい。


ムラの住民として暮らすスタッフにとってみれば、万が一自分の「生の声」が他のムラ人に漏れ、ムラの非公式の掟に反する(空気を乱す)と判断されてしまうと、そこで生活できなくなってしまう。


ムラ人は、そのことを普段の生活で嫌というほど理解しているから、有事であればまだしも、何事もない日々を過ごす平時において、わざわざそのようなリスクを負うメリットはない。したがって、あくまでも本人にとっては「合理的」に口をつぐむのであって、自分の身を守るためには賢い(そして自然な)選択なのである。


だからこそ変革リーダーは、それらを理解せずに、簡単に「スタッフの心理がわかる」と考えないことが肝要である。ただ、もちろん、「スタッフの心理はわからない」ということは、「スタッフの心理をわかろうとしなくていい」ということではない。わからないからこそ、わかるためにもがかなければならない。


そして、そのために大事なことは、「美しい言葉(ビッグワード)」に逃げず、「普通の言葉(スモールワード)」を使って考えること。リーダーとしての自覚を持つほどに忘れてしまいがちな、その「普段の言葉」にこそ、組織の空気の正体に近づく重要な気づきが隠されている。

Recent Posts

See All

リーダーが「あっちに行きましょう!」と旅の道筋を示した時、スタッフのフォロワーシップで大切なのは「一旦だまされたと思ってついて行ってみる」ことだと言えます。 結局、何が正しいかは実際にやってみなければわからないというのは、多くの人が納得することではないかと思います。「これはいける!」と思ったことが上手くいかなかったと思えば、「これは無理だろう・・・」と思ったことが案外上手くいったり。 もちろん、だ

立場(地位や職位、権限)によらずに誰かを動かす時、その人はリーダーでありリーダーシップを発揮していることになりますが、それ以前に、そもそも自分自身をリードしている(自分に対してリーダーシップを発揮している)と考えることもできます。このように、 「リーダーシップは自分自身に向けることから始まる」 ととらえると、自らが行動するモチベーションを維持するために「安心感の醸成」が大切になります。 そして、そ

組織変革と空気のマネジメントの観点から言えば、ヨソ者の本質的な価値は「餅は餅屋」の専門性にあるのではなく、ムラ(組織)の住民ではないこと、つまりヨソ者であること自体にあります。 たとえリーダーであっても、同じムラの住民ですから、日々の暮らしの中でのさまざまな交流を通じて、他の住民(スタッフ)との関係性が出来上がっています。 もちろん、信頼されている、仲が良いといった関係性だけを見ると良いことのよう