top of page
Writer's picture佐藤 和弘

あえてボトムアップの組織変革にこだわり推進している理由

ノンテクニカルスキルを「組織で問題解決する技術」と表現し、トップダウンの組織変革が重要であることは百も承知のうえで、あえてボトムアップの組織変革にこだわり推進しているのは「患者さんは今この瞬間も現場にいる」からです。


患者さんの半径5メールにいるのはスタッフであり、患者さんが「今」求めていることにすぐに応えなければならない。それができなければ、いくら壮大な美しいビジョンを描いたとしても、極論すれば、スタッフも患者さんも「私たちが今求めてるのは)そこじゃない問題」を(心の中で)突きつけるだけです。


患者さんの半径5メートルに近い人ほど、患者さんやスタッフのリアルな苦悩がよくわかります。そして、その苦悩は、10年、5年、1年先ではなく、今この瞬間に何とかしたい(して欲しい)と考えています。だからこそ、今この瞬間から組織であるべき姿と現状のギャップを埋める行動が求められるのです。


しかし、そのような行動は、往々にして合成の誤謬、群盲象を評す、木を見て森を見ずになりがちで、今日明日は良くても、1年、5年、10年と時が過ぎるほどに、本来の目的地と現在地がずれていってしまいがちです。


したがって、これも結局はトップダウンとボトムアップの両利きの組織変革が必要になるわけで、あとは「時と場合と人の問題」、つまり、どちらからどう取り組むかが論点になります。だからこそ、右利きや左利きの人が、利き手ばかりを使ってしまうことにならないようにしなければなりません。

Recent Posts

See All

日常を忘れさせない学びの場づくり

一般論として、医療における研修は、現場業務という日常の場とは切り離された非日常の場になりやすいと言えます。たしかに、業務の合間に行われる研修は、その間だけは日常(の忙しさ)を忘れさせてくれる、休息の場という側面も実際にはあるでしょうし、そのような場があること自体は有意義でし...

人間における自己教師あり学習(自分から学ぶ)

昨今のAIの基盤となっているニューラルネットワークは人間の脳の神経回路を模したものですが、一方で、AIを理解するということは人間(の脳)を理解することにつながるという学びの相互作用的な関係にあると言えます。 そのうえで、大規模言語モデルにおいて「トランスフォーマー」とともに...

自分自身の「感情」が、論理的思考を身につけることを邪魔する

「(できれば) 物事を論理的に考えたい」と思う人は多いでしょうが、論理的思考を身につけることは実際には容易ではありません。 論理的思考に関する書籍を何冊か読破した、あるいは(単発の)研修やセミナーで学んだといった段階に留まらず、何年にも渡り日々の日常業務のなかで繰り返し体験...

Comments


bottom of page