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  • Writer's picture佐藤 和弘

「いかに◯◯すべきかを考えることが大事」は答えではない

一般的に、さまざまな議論をするなかで「いかに◯◯すべきかを考えることが大事です」といった意見がよく出てきますが、あえて健全に厳しい見方をすれば、これは答えではありません。例えば、


「いかに相手の気持ちに寄り添うべきかを考えることが大事です」


という言葉があったとして、この結論だけでは、肝心の「どうすれば相手の気持ちに寄り添うことができるのか?」に答えられていないからです(もちろん、この言葉自体はコミュニケーションにおいて大事なのですが)。


何のために答えを出すのか。それは、突き詰めると「行動するため」です。であれば、「いかに」の部分に対して、まさに答えを出すことが求められるのですが、「いかに◯◯すべきかを考えることが大事です」といった表現は、一見するとそれが答えであるかのような印象を受けるため、つい、この本当は答えではない言葉に満足してしまいやすいのではないでしょうか。


したがって、その「いかに」の部分まで具体的に結論づけてこそ、行動するための答えを出すことができるととらえることが大切と言えます。

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