top of page
  • Writer's picture佐藤 和弘

群馬県病院局(群馬県立4病院)職員研修【ノンテクニカルスキル管理職編】で講演しました

基礎編に引き続き、先日は群馬県病院局(群馬県立4病院)職員研修【ノンテクニカルスキル管理職編】の分散ハイブリッド型オンライン研修で講演しました。


リーダーシップとマネジメントの違いはいろいろな表現で語ることができると思いますが、僕は前者が「働きかけ」であるのに対して、後者は「仕組みづくり」だととらえています。


世の中を見渡すと、不特定多数の人たちが正しい行動を取ることができるように、さまざまな仕組みが社会に組み込まれていることがわかります。同様に、医療現場においても、仕組みファースト(マネジメント優先)で考え、その仕組みだけでは不十分な部分を、人が人に直接働きかける(リーダーシップを発揮する)ことによって補っていくという考え方が基本になります。


研修では、人材マネジメントの全体像(6つの仕組み)の中から1つの仕組みに選択し、その仕組みにおけるあるべき姿と現状のギャップを埋める問題解決プランを参加者の方々に事前に作成していただいたうえで、お一人おひとりの問題解決プランに対して、他の参加者の方々からチャットを通じてさまざまな質問等を共有していただきながら、発表者、他の参加者、講師で協働して学びを創り深めていきました。


本研修の冒頭にお伝えした、本研修のポイント。その1つが次のような言葉です。


「目の前で起こっている(個別の)問題は、人材マネジメントの仕組みが上手くいっていない結果として起こっているのではないだろうか?」


この問いは、管理者の役割が(現場スタッフにとって)いかに重要であるかを表しています。


一方で、人材マネジメントの全体像という「表の森」とともに大事になるのが、空気のマネジメントという「裏の森」の生態系を理解することです。したがって、組織の2:6:2の法則やラーメン屋の行列、小さな成功などに関する考え方もお伝えしました。


最後は、最近恒例の生成AIによる問題解決プラン作成自動化の実演。生成AIがノンテクニカルスキルを発揮できる時代になりましたが、そのため大事なことは、人間側がノンテクニカルスキルを発揮することです。


「人間側がノンテクニカルスキルを発揮し、質の高いプロンプトを入力する」


「人間側がノンテクニカルスキルを発揮し、生成された問題解決プランが自施設に適した内容になっているかを判断する」


「人間側がノンテクニカルスキルを発揮し、自施設により適した問題解決プランに練り上げるために、生成AIにフィードバックする」


このように、人間側と生成AIがどちらもノンテクニカルスキルを発揮することによって、人間(の思考)だけではたどり着けなかった場所に、生成AIを使ってたどり着くことが大切だと言えます。

Recent Posts

See All

人間における自己教師あり学習(自分から学ぶ)

昨今のAIの基盤となっているニューラルネットワークは人間の脳の神経回路を模したものですが、一方で、AIを理解するということは人間(の脳)を理解することにつながるという学びの相互作用的な関係にあると言えます。 そのうえで、大規模言語モデルにおいて「トランスフォーマー」とともに...

効率系と創造系の2種類の生成AIの活用の観点

生成AIの使い道は、大きく「効率系」と「創造系」の2種類に分けることができます。 前者は、例えば文書の自動作成や文章の要約など、10の労力を自動化によって5に減らすといったイメージで、「分母」の議論と言えます。世の中の生成AIにおける議論は、多くが効率系の議論ではないかと思...

カネカ労働組合高砂支部で講演しました

先日は、カネカ労働組合高砂支部で講演しました。 医療の立場で他の産業・業界の方々にノンテクニカルスキル教育を提供しているのには、ある目論見があります。それは、「逆輸入」です。 医療発のノンテクニカルスキルを通じてさまざまな産業・業界現場で小さな成功を量産していただき、その成...

Comments


bottom of page