• 佐藤 和弘

トップ(変革リーダー)は、なぜ有事において、組織全体で有事標準の行動を取るようにリーダーシップを発揮しなければならないのか

トップ(変革リーダー)は、なぜ有事において、組織全体で有事標準の行動を取るようにリーダーシップを発揮しなければならないのか。それは、組織における「行動の判断基準」ができてしまうからです。


もし、有事においても平時と同様の行動をスタッフが取り続ければ、「この(有事の)ような状況でも、これまで通りにやっていて問題ないんだ」という空気が広がり、今後新たな有事に遭遇した際に、その(誤った)判断基準で自らの行動を決めてしまうことになります。これは、当人たちにとってみれば、合理的かつ正当な主張で、過去にそのような行動が認められていたのですから、いくら状況が違うと説得しても、今後の行動においてそれを否定し、納得させることは難しくなります。


したがって、過去の成功体験が未来の失敗体験を生み出してしまう「成功は失敗の母」のメカニズムの観点においては、いかに組織の行動の判断基準をマネジメントしていくかが重要になります。


本来は組織全体が有事モードで問題解決していかなければならない状況でありながら、平時と同様の行動を取り続けているとすれば、「有事でも平時の判断基準で行動をきめてしまう」という、未来の失敗体験を生み出してしまう成功体験を、1日1日つくり続けてしまっていると言えます。だからこそ、


「トップの日々の一挙手一投足によって、組織の行動の判断基準はつくられ続けている」

このことの重要性と恐ろしさを実感しなければならないのです。

Recent Posts

See All

メタバースという流行り言葉の背景には、「非現実世界(バーチャル)を現実世界(リアル)に近づけていきたい」という、人間の自然な欲求があるように思います。 あくまでも、僕らが日々生活しているのは、今この瞬間も目の前に見えている現実世界であり、いかにこの現実世界を心身ともに豊かに過ごすかは、誰しもが関心を持つことだと言えます。 その上で、テクノロジーの進化によって、従来の文字や音声の世界から、画像や動画

「問題を正しく解決するよりも、正しい問題を解決することが大事」 もちろん、「問題を正しく解決する」ことも「正しい問題を解決する」ことも、両方大事です。ただ、正しい問題において間違った対策を実行すれば「解決できなかった」だけで終わるかもしれませんが、間違った問題を正しく解決しようとしてしまうと、本当の問題が解決しないだけでなく、それによって別の問題が起こってしまうかもしれません。その意味では、上記の

昨今、「パーパス(経営)」といった言葉が流行っています。「存在意義」と訳されることもあるパーパスですが、これは本来は「目的」という意味になります。経営単位であれ個別業務単位であれ、ある活動は目的を実現するための手段ですから、「何のためにその活動を行うのか?」という目的を押さえることは、これまでも、そしてこれからも重要であり、本来は普遍的なことです。 では、なぜ、このような整理をしたのかというと、と