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Writer's picture佐藤 和弘

トップ(変革リーダー)は、なぜ有事において、組織全体で有事標準の行動を取るようにリーダーシップを発揮しなければならないのか

トップ(変革リーダー)は、なぜ有事において、組織全体で有事標準の行動を取るようにリーダーシップを発揮しなければならないのか。それは、組織における「行動の判断基準」ができてしまうからです。


もし、有事においても平時と同様の行動をスタッフが取り続ければ、「この(有事の)ような状況でも、これまで通りにやっていて問題ないんだ」という空気が広がり、今後新たな有事に遭遇した際に、その(誤った)判断基準で自らの行動を決めてしまうことになります。これは、当人たちにとってみれば、合理的かつ正当な主張で、過去にそのような行動が認められていたのですから、いくら状況が違うと説得しても、今後の行動においてそれを否定し、納得させることは難しくなります。


したがって、過去の成功体験が未来の失敗体験を生み出してしまう「成功は失敗の母」のメカニズムの観点においては、いかに組織の行動の判断基準をマネジメントしていくかが重要になります。


本来は組織全体が有事モードで問題解決していかなければならない状況でありながら、平時と同様の行動を取り続けているとすれば、「有事でも平時の判断基準で行動をきめてしまう」という、未来の失敗体験を生み出してしまう成功体験を、1日1日つくり続けてしまっていると言えます。だからこそ、


「トップの日々の一挙手一投足によって、組織の行動の判断基準はつくられ続けている」

このことの重要性と恐ろしさを実感しなければならないのです。

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