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Writer's picture佐藤 和弘

ヨソ者の使い倒し方と「有り難い話」

組織変革と空気のマネジメントの観点から言えば、ヨソ者の本質的な価値は「餅は餅屋」の専門性にあるのではなく、ムラ(組織)の住民ではないこと、つまりヨソ者であること自体にあります。


たとえリーダーであっても、同じムラの住民ですから、日々の暮らしの中でのさまざまな交流を通じて、他の住民(スタッフ)との関係性が出来上がっています。


もちろん、信頼されている、仲が良いといった関係性だけを見ると良いことのように見えますが、信頼されているからこそ、仲が良いからこそ言えないこともあるはずです。また、「◯◯さんはこういう人」といったリーダー像を含めて関係性が出来すぎているために、逆に言葉が伝わらないこともあるのではないでしょうか。


組織変革はヨソ者との二人三脚が大事なのは、そういった「同じムラの住民だからこそ言えないこと、伝わらない」ことを、ヨソ者の口から伝えてもらえるからです。


ではなぜ、ヨソ者はそれを伝えられるのか。それは、ムラの住民ではないからです。ムラの住民ではないからこそ、そのムラで日々生活していないからこそ、関係性が出来すぎていないからこそ、空気に従わなくても良い。これは、リーダー含めムラの住民から見れば、ある意味、物凄いパワーを持っているように見えるでしょう。


だからこそ、ヨソ者を使い倒さないのはもったいない。


一方で、ヨソ者の話は有り難い話です。ここで言う有り難いとは、「あることが難しい」という意味です。それもそのはず、ヨソ者はそのムラで実際には生活してはいませんから、日々の暮らし(半径5メートル)のことはわかりません。


だからこそ、ヨソ者が伝える有り難い話は、リーダー含めムラの住民によって半径5メートルに引き寄せていかなければなりません。その意味でも、やはり二人三脚が大切になるのです。

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