• 佐藤 和弘

中川調剤薬局全体研修Day17・管理薬剤師研修Day16で講演


全体研修では、問題解決の六大大陸をプランとしたPDCAを回し続けることの意味合いをあらためて確認した後、実質的に六大大陸で最も重要な【あるべき姿】について、「目標」との違いを共有。それは、「映像(行動)」と「言葉(概念)」の違い。言葉(概念)でのみ表現する以上、それは「目標」にはなっても【あるべき姿】にはなりえない。


【あるべき姿】は未来の現実世界であり、現実世界は映像の世界。法人組織の【あるべき姿】のことをなぜ「ビジョン」というのか。本来、現実世界の映像が先にあって、それを概念化された言葉を使って表現しているのであって、その逆ではない。これもまた、手段の目的化の落とし穴にはまらないように、「本来の考え方」に戻るまでは、思考矯正(強制)ギプスをはめることが大切である。


そのうえで、ある事例を通じて【あるべき姿】の映像化のための(続)組織で反復練習。終盤は、それでもやはりはまりがちな「概念」の落とし穴から抜け出すために、壇上で変革リーダーの方々と即興のQ&Aセッションを実施。患者さんご本人がある意思決定をした日常生活の半径5メートルでの出来事その瞬間を、どれだけ映像でイメージできるか。その日常の一瞬の場面でその意思決定をするに至ったご本人の中での重要なきっかけを「原石」という言葉で表現しながら、その意思決定の「原石」を見つける大切さを共有した。


管理薬剤師研修では、変革リーダーがこれまでのDay16に至った本研修の「歴史」を振り返りながら、4年間かけた壮大な「伏線回収」を実施。映画の序盤の伏線が終盤で回収されてこそ意味があるように、2時間の映画ならぬ4年間の超長編映画で何重にも張り巡らされた伏線の回収によって、初めて見える景色がある。


一般的に、数年単位の超長編映画の伏線回収にヨソ者が関わる場合、最初の数年間は言わば「予定調和」の基本的な学びになる。だが、ある程度の基本を学んでもらったうえでヨソ者がやるべきことは、そのような基本(往々にしてそれは、抽象化された概念)をもとに、綺麗事だけでは済まない「半径5メートルのリアル」を考えるためのお手伝いである。例えば、時に悪者を演じて厳しい言葉を投げながら、時にあえて片方の味方をすることでパワーバランスを保ちながら。


当事者の方々からすると、ともすれば耳が痛く、ありがた迷惑であり、むしろ余計なお世話かもしれない。だが、その「痛み」を経ることが、結果的に患者さんに「痛み」を集中させないためには必要条件だとヨソ者は考える。そして、当事者の方々もヨソ者も、そのためにお互い職業人(役者)としての役割を受け入れ、演じ切ることも大切である。

© 2013 by Kazuhiro Sato