top of page
  • Writer's picture佐藤 和弘

他者の言葉は「答え」ではなく「ヒント」と割り切る

例えば、一般的な講演の内容を、大きく2つの方式に分けてみます。


①誰かの言葉の引用系

②自分の考えの披露系


何事にもメリットもあれはデメリットもあると言えますが、これらの方式も例外ではありません。

①のメリットは「効率性」です。


「◯◯はこう言っています」

「⬜︎⬜︎はこう言っています」


さまざまな「誰かの言葉」に触れる、言い換えれば、さまざま角度から学びを得ることは、それらの言葉のつながり(共通点)や相違点を通じた学びを得ることもできます。デメリットがあるとすると、「これって他でも聞いたことあるよなぁ」「それだったら、本家の話を直接聞いたほうがいいよね」と感じてしまいかねないことかもしれません。


対して、②のメリットは「独自性」です。これまで(誰かの言葉では)触れることがなかったユニークな角度からの学びを得ることによって、新たな気づきを得ることができます。デメリットがあるとすると、「それってあなたの(ひとつの)考えに過ぎませんよね」と感じてしまいかねかいことかもしれません。ただ、


「自施設の患者さんのための本当の答えは、自施設の現場にしかない」


このようにとらえてみると、①も②も、本当の答えを見つけるためのヒントにはなるでしょうが、本当の答えそのものは、自施設の現場で見つけるしかありません。①や②で語られる言葉には、自施設の患者◯◯さんのことが背景として含まれているわけではないからです。


このように、他者から学ぶ際は、それを答えととらえるのか、それとも(答えを見つけるための)ヒントととらえるのかによって、その意味合いは大きく異なります。たしかに、答えととらえるほうが楽でしょうし、暗黙的・希望的に答えととらえてしまいやすいかもしれません。ただそうすると、結局、現場で答え合わせしてみると答えが合わずに問題が解決しない、その結果、問題が先送りされて深刻化する、といったことになりかねません。


このことをふまえても、「他者の言葉は答えではなくヒント」と割り切ったほうが、急がば回れで問題解決に近づくのではないかと考えています。

Recent Posts

See All

ワンフレーズ・ノンテクニカルスキル13

「知的好奇心の罠」 人が成長するうえで知的好奇心は大切。だが、「知らないことを知りたい」という好奇心があるがゆえに、「すでに知っていることには興味が湧かない」「もっと違うことを知りたい」といった意識につながり、その結果、知っていることが「できるようになる」ための反復練習がおざなりになると、あれもこれも学ぼうとするが、どれもこれも身につかない。医療者は、医療の世界のアスリートとして、学習環境だけでな

ワンフレーズ・ノンテクニカルスキル12

「不変的な共通軸を押さえる力」 新しい言葉(概念)は次々と登場するが、昔からある言葉を言い換えていると言えるものも少なくない。例えば、「理念」は組織全体の「目的」にあたるが、「存在意義」と訳される「パーパス」も、直訳すると「目的」。つまり、これらに対する不変的な共通軸は「目的」である。今後新しい言葉が出てきたとしても、流行り廃りに惑わされず、不変的な共通軸を押さえておくことが大切。

ワンフレーズ・ノンテクニカルスキル11

「空気の支配の恐ろしさ」 目に見えず手も触れられないが人に大きな影響力を与える「何か」、それが空気。空気は、「正しいことができない」「間違っていると分かっていてもやらざるを得ない」状況へと人を陥れてしまう、強大な力を持つ。ムラ(組織)の非公式の掟である空気は、時に公式の掟(制度やルール)よりも優先されてしまい、結果、誰も望まない方向へと全員で向かうことになる。

Comments


bottom of page