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  • Writer's picture佐藤 和弘

医療法人社団大誠会で講演


こちらは、3つの透析施設の他に、居宅介護支援事業所や訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、デイサービス、そしてデンタルクリニックまで抱える。


まずは、透析医療を提供する法人の方々に向けて、元透析屋から自己紹介のメッセージ。


「元々、透析患者さんを救うためには、僕らが、そして組織が変わらなければならないということに気づき、この活動を始めました。でも、一番近くにいる皆さんでなければ、透析患者さんは救えません」


初めてノンテクを組織学習する際のメインセッションは、「料理の試食会」、つまり「2W1H」と「ビッグワードを具体的にする」という最も重要なノンテク2点セットを用いて、実際に問題解決を考えてみるセッションだ。


通常、「多職種連携が進まない」といった【問題】をこちらから提示したり、自施設で起こっている平時の問題解決を議論してもらうのだが、今回は、ある有事を想定したテーマをヨソ者が提案し、それに関する問題解決をグループで議論してもらった後、それぞれの問題解決プランを2グループ間で共有し、学び合ってもらった。


グループでの議論の間、問題解決の基本的な考え方として、ヨソ者から2つのヒントをお伝えした。1つは【現状】や【問題】に関して、「登場人物を洗い出す」こと。ある出来事に対して様々な登場人物を洗い出すと、複数の「シナリオ」が見えてくる。もう1つは【対策】に関して、「仕組み」を立案すること。「意識」が「行動」につながるのではなく、「行動」が「意識」につながると捉え、「行動」を変えるためには「仕組み」をつくることが大切である。


有事の問題解決において重要なのは、いかに事前に「想定外」を「想定内」にしておくかだ。正常性バイアスに捉われず、平時のうちから有事の問題解決を考えておかなければならない。


願わくば、あらゆる医療機関がノンテクを使い、有事の問題解決に取り組んでもらいたい。有事の時こそ、日頃から作り上げてきた共通言語の重要性が明らかになるはずだ。


研修後は、様々なリーダーの方々に残ってもらい、恒例の延長戦。テーマは「仕組みに基づく実行計画」。このリアリズムに基づく実行計画の立案が、非日常(研修)から日常(現場)に戻って現実に引き戻された時、組織的な行動の原動力となる。

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