• 佐藤 和弘

医療現場で一般用語を用いる重要性

「実は、医療はヨコ文字大好き業界ですよね」


同じ医療業界の住民として、このようなことを伝える。ヨコ文字に限らず、医療は難しい言葉が実にたくさんあるが、高度な専門性が求められるのだから、高度な専門用語を使わなければならないという思い込みが、そのような誤解を招くのだろう。


一方で、専門用語にはある懸念がある。それは、「流行り廃りに左右されやすい」ということである。よく「◯◯はもう古い、これからは◯◯だ!」といったように、次々に新しい専門用語が生まれは消えていく。実は同じようなことを言っているのに、その背景には普遍的な考え方があるのに、表面の専門用語だけが独り歩きし、入れ替わり立ち替わり用語が変わっていく。この流行り廃り(陳腐化)の流れは、残念ながらこれからも続いていくだろう。


だからこそ大事なことは、世間がどんなに流行り廃りを繰り返そうが、その背景にある普遍的な考え方を理解しておくことである。そしてもっと言えば、流行り廃りを繰り返す専門用語を使わずに、陳腐化しない一般用語を日常業務で使っていくことである。


そしてこれは、ノンテクも例外ではない。本来、ノンテクは普遍的な考え方であるから、陳腐化するものではなく、流行り廃りに左右されるものではない。だが、その普遍性を理解せず、表面の「ノンテク」というヨコ文字だけに囚われると、さも専門用語のように捉えてしまい、「もうノンテクは古い、これからは◯◯だ!」といった間違った方向に向かっていってしまう。


では、この専門用語の流行り廃りの流れにどう適応したらいいのだろうか。答えは簡単で、「ノンテク」という言葉がどうしても専門用語化してしまうなら、それを使わなければいい。その代わり、一般用語を使えばいいだけだ。


継続的にノンテクの学習をしている組織では、そのなかで「ノンテク」という用語がほとんど出てこないことに気づくだろう。なぜなら、やるべきことは「あるべき姿と現状のギャップを埋める」こと、つまり問題解決することだけであり、そのための用語は【目的】【現状】【あるべき姿】【問題】【原因】【対策】といった一般用語を使っているだけであるからだ。


一般用語だから陳腐化しようがないし、流行り廃りに左右されようがない。これが、普段から組織学習をしてもらううえで、意図して一般用語を使ってもらっている意味であり、その重要性である。

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