• 佐藤 和弘

問題解決の議論を固有名詞レベルに落とし込む

現場の問題解決の議論は、基本的に「固有名詞」レベルに落とし込むことが重要です。


どんな現場の事例にも当事者である◯◯さんがいるわけで、その◯◯さんには◯◯さんの性格や価値観、考え方があり、それは他の人と同じではありません。このことが意味するのは、固有名詞レベルで行わない問題解決の議論は、極端な話、当事者の「個性」を無視した議論になってしまいかねないということです。言い換えれば、一般化できないその個性にこそ、現場の半径5メートルのリアルが含まれています。


もちろん、問題解決の「型」を持つためには、一般化(抽象化)する組織能力も必要ですし、便宜的に「患者さん」や「スタッフ」といった名称を用いて議論することもあるでしょう。しかし、それに加えて個別化(具体化)する組織能力もなければ、「結局、誰の話をしているのか?」があいまいなままの議論になってしまいかねません。


現場の問題解決には当然ながらエビデンスが大切ですが、同時にエピソードも大切です。当事者の◯◯さんの性格や価値観、考え方など、本人の個性が垣間見えるエピソードにこそ、問題解決の議論を現場の半径5メートルに留め続ける力があります。


したがって、「患者さん」や「スタッフ」ではない、他の誰でもない◯◯さんのエピソードをもとにした現場のリアルに迫るために、問題解決の議論を固有名詞レベルに落とし込んでいくことが重要なのです。

Recent Posts

See All

「過去の成功体験が未来の成功体験をつくる」「過去の成功体験が未来の失敗体験をつくる」という相反するように見える物事をつなぐ

「過去の成功体験が未来の成功体験をつくる」という言葉は、いかに組織変革においてスモールウィン(小さな成功)が重要であるかを意味しています。なぜ人は行動できないのか。それは、行動すればスモールウィンを実感できる(かもしれない)という期待につながる成功体験を、これまで十分に積み重ねることができていないからだと考えることができます。誰しも、これまで成功したことがないことに挑戦するのは怖いと思うのが自然で

© 2013 by Kazuhiro Sato