• 佐藤 和弘

奈良民主医療連合会主催の看護師長対象の双方向型オンライン研修で講演

Updated: Nov 2


奈良民主医療連合会主催の看護師長対象の双方向型オンライン研修で「問題解決の技法 管理者のためのノンテクニカルスキル」をテーマに講演しました。


問題解決において大切なことは、「前提」を把握することです。目の前で起こっている現象を表面的に眺めているだけでは、問題の本質は見えてきません。では、その現象の前提として、どのようなことを把握しておくべきなのか。色々な前提があると思いますが、3つ挙げるとすれば、


①どのような「時と場合と人」なのかを把握する ②人材マネジメントの仕組みを把握する ③組織の空気(の恐ろしさ)を把握する

と言えます。

①に関しては、ある同様の問題が起こったとしても、それがどのような時と場合と人によるものなのかによって、問題の意味合いが変わってくるはずです。

②に関しては、ある問題が起こった際、それは「当事者」の問題というより、「仕組み」が不全である結果ではないかと考えてみることです。行動をうながすことが目的である仕組みが不全であるにも関わらず、当事者の行動自体を問題ととらえてしまうと、誤った判断をしてしまいかねません。

③に関しては、当事者が一見すると不合理な行動をとっていると判断できるのであれば、そうせざるを得ない組織の空気が存在しているのではないかととらえ、その目に見えない「何か」の存在を理解することです。仕組みが行動をうながす公式の力であれば、空気は行動をうながす非公式の力です。仕組みは明文化できても、空気は明文化しにくいだけに、その非公式の力を把握することは難しいですが、空気の支配の存在に目を向けずに、当事者の(不合理な)行動だけで判断してしまうと、同様な行動をとる当事者が今後も出てきかねません。


このように、現象の前提を把握するようにすると、目の前の景色が変わって見えるはずです。


景色が変わって見えると言えば、問題解決を「あるべき姿と現状のギャップを埋めること」だと正しくとらえれば、平時よりもむしろ有事の状況においてこそ、問題解決という組織能力が重要であることがわかります。


もちろん、未来は誰にもわかりませんが、平時であれば現在からの延長線上で未来(あるべき姿)を描くことは、比較的にそれほど困難ではないかもしれません。しかし、有事のような極めて不確実が高い状況においては、現在の延長線上では未来(あるべき姿)を描きにくいこと、そして仮に未来(あるべき姿)を描けたとしても、往々にして相反し対立する未来(あるべき姿)が描かれ、それぞれにある意味合理性があり、どちらがより正しいのかを判断することが難しい、もしくは判断ができないと言った事態になりかねません。


だからこそ、そもそも平時のうちから未来(あるべき姿)を描く訓練を組織的に行っておくこと、有事における未来(あるべき姿)は、相反し対立するような、どちらが正しいのか判断つかない(つきにくい)が描かれることがあるということを理解しておくことが大切になります。そして、だからこそ、「決められないことを決める」トップダウンの意思決定力が有事には求められると言えます。

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