「あれもこれも学ぼうとして、結果的に、どれもこれも身につかない」
このような言わば「学びの目移り現象」を防ぐためには、そもそも学びは「広げる」ものという暗黙の前提を健全に疑うことが大切です。
一方で、さまざまな学びに目移りすることなく、一つの学びを「深める」という、言わば「学びのマニアック化」に過度に陥ると、学びの内容が難しすぎて他のスタッフに理解してもらえなかったり、現場の半径5メートルという現実世界から浮世離れしてしまいかねません。
では、「広げる」よりも「深める」よりも、学びをどの方向性で考えることが大事なのか。それは、「進める」です。
学びを「進める」というのは、半径5メートルの中で実際に学びを活用し、小さな成功をつくることを意味します。この方向性の意義は、それが目的(の実現)に向かう営みであることにあります。
あくまでも学ぶこと自体は手段であり、目的(現場の問題解決)があるのであれば、学びを「進める」という方向性を軸にしながら、目的に向かうなかで「広める」「深める」という方向性も追求していく。
このように、学びを方向性という観点から考えていくことも、組織学習において重要になります。
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