子どもの勉強(学び)を考える際、学校はもちろんですが、学校以外のあらゆる場も学びの場であるととらえると、「過ごす時間の長さ」という観点では、やはりまずは「家(家庭)」を学びの場ととらえることが大切です。
「学校」と「家(家庭)」という2つの学びの場。さまざまな物事はメリットもあればデメリットもあるものであり、それはこれら2つの場においても同様です。
学校のメリットは、もちろん、教育のプロである教師がいることです。特に、守破離的な観点おいて、学び始めは「餅は餅屋」で専門家に力を発揮してもらうことは正攻法と言えます。加えて、ある意味それ以上に意義があることがあるとすれば、たくさんの友だちと一緒に過ごせるということでしょう。
一方で、デメリットがあるとすれば、それは、基本的に「日常生活(社会)とは切り離されている」ということだと言えます。すると、「日常生活(社会)のなかで何かしらの価値をつくる」という本来の目的を実現することなく、手段である勉強が繰り返されることになります。
もちろん、このデメリットは学校という学びの場の「特性上」「構造上」の問題であり、ある意味、上記のメリットを享受するからこその避けにくい副産物と言えますから、このデメリットに対応するのは学校ではなく、もう一つの学びの場である家(家庭)の役割です。
家(家庭)で過ごすということは、常に日常生活という目的の実現が可能な場で過ごすということです。これは、さまざまな日常生活の場面において、「目的を実現するという体験」ができる機会があるということを意味します。
例えば、子どもと遊んでいる場面で、遊びのルールを自分でつくり、5秒以内で説明してもらう。すると、独自のルールを5秒以内で説明できるようにシンプルにまとめる(考える)力や伝える力が養われます。そして、このルールをつくり説明するという勉強は、その遊びを楽しむという目的の実現に直結しているのです。ほかにも、目的を実現できる場、目的のための手段(勉強)を実感できる場は、さまざまな日常生活のなかで見つけることができるでしょう。
このことからもわかるように、学校と家(家庭)は、それぞれ「学びの場としての役割分担」が大切になると言えます。
Kommentare