• 佐藤 和弘

岡山医療センター看護部リーダー研修で講演


これからの医療を担う次世代リーダーの方々に、問題解決の六大大陸の世界地図を渡した後、まずは「平時」の問題解決セッション。リーダーとしての問題解決プランを立案し、それを他のリーダーと学び合うことによって、1回の問題解決プランの作成体験に3-4回の問題解決プランの擬似作成体験が加わることによって、限られた時間で濃縮した学びを得ることができる。この擬似体験学習ができることが、組織学習の価値である。


そして、後半は「有事」の問題解決セッション。これから次世代リーダーが向かう日本の医療の未来には、様々な有事が待っているだろう。次世代リーダーは、そのような有事に備えて、いかに平時のうちから「想定外」を「想定内」にしておくかが極めて重要である。


では、有事の問題解決において大事なことは何か。まずは、「今が有事である」ということを様々な利害関係者に理解してもらい、「危機意識」を高めてもらうことだろうか。だが、昭和史から学んでいれば、いかに「まだ当事者になっていない者が当事者意識を持つ」ことが難しいかがわかる。1943年に、銃後では相撲観戦を楽しんでいるのだから。


このように、有事の中で有事を自覚することも難しいのに、平時の中で有事を想定することはさらに難しい。だが、だからこそ、ヨソ者はよく「危機意識よりスモールウィン」と言っている。大事なのは「行動」してもらうことであって、あくまでも危機意識を高めること自体ではない。


このことに関して、ヨソ者がお伝えしたのが「インセンティブ設計」の重要性。人はインセンティブと性格の虜。だからこそ、インセンティブや性格に基づき人を動かしていくことが大切になる。


有事の問題解決セッションの後は、次世代リーダーへ「テクノロジーと共生する医療現場」の【あるべき姿】を描いていく重要性について、エールを込めてレクチャー。


「認識(目)」「運動(手足)」「言語(耳口)」に関する業務の自動化によって、セキュリティ、観察、物品の運搬、記録、申し送り、評価や育成に至るまで、様々な業務が根本的に変わるほどの【あるべき姿】を描くことができる。それを担うのは、すでに世の中のゲームのルールが変わってしまったテクノロジー時代をこれから生きる、次世代リーダーの方々である。


ノンテクによる変化に適応する組織への変革と、AIやロボットなどのテクノロジーリテラシー。全国の医療機関や介護施設において、この2つを融合させる組織は、大きな先行者利益を得ていくだろう。

© 2013 by Kazuhiro Sato