OJTをテーマに4時間講演。今年で3年目。
OJTは、人材マネジメントの全体像では「育成」のマネジメントに当たる。だから、「木を見る前に森を見る」で、まずは人材マネジメントの全体像を理解したうえで、OJTについて考えなければならない。特に、OJTは【配置】のマネジメントに直結する。だからこそ、【配置】に基づきOJTを考えなければ、手段の目的化に陥ってしまう。
OJTの本質はシンプルで、「気づきを生み出す」こと。指導者は、2W1Hに基づく問いを投げかけながら、教育対象者が自らあるべき姿と現状のギャップを埋めるための支援をしていくが、ここで重要なのが、問いの「感度」である。
教育対象者がある【問題】に直面した際、指導者は教育の【目的】を押さえ、その【目的】に応じた問いを投げかけることで、本人に【原因】や【対策】を考えてもらう。だが、その問いの感度が低ければ、何を答えたらいいのかがわからないので適切な意見が出来ず、気づきにつながらない。ただ、だからといって「こういう時はこうするように!」と指導者が答え(対策)を言ってしまうと、本人の考える機会を奪ってしまう。だからこそ、指導者は自らの問いの感度を高める努力を怠ってはならない。
一方で、抜け漏れがちなのが、OJT(育成)を「内的報酬」につなげていくこと。指導者は教育対象者の問題解決の支援をするだけでなく、その結果をいかにスモールウィンにするために意味づけていくかも考えなければ、OJTは片手落ちになってしまう。
OJTの実践技術を組織学習した後は、もちろん恒例の変革リーダーの方々との課外授業。これから医療機関が進むべき「AIと共生するあるべき姿を描いた問題設定型の問題解決」まで時間軸を伸ばし説明しながらも、最後には現場スタッフの半径5メートル以内の話に着地。
このように、組織変革においては、「ビジョン」と「半径5メートル以内」の往復運動をし続けることが大切である。
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