「なんでこの問題が起こったの?」という問いは、組織の空気を知るためのリトマス試験紙になるかもしれません。
この問いを当事者に投げかけた時に、「すみませんでした」といった謝罪の言葉が返ってくるのであれば、ここで言う「なぜ?」という言葉を、本人は「責められている」と受け取ってしまっていると言えるからです。
本来、問題解決における「なぜ?」というのは、「犯人探し」ではなく「原因探し」をするために使う言葉です。それなのに、なぜ本人は、責められていると受け取ってしまうのでしょうか。
僕が考える答えはシンプルで、他の人も同じように、「なぜ?」という言葉を「責めるための言葉」としてとらえてしまっているからでしょう。つまり、「他の人がそう思うから、自分もそう思う」というラーメン屋の行列です。実際に他の人が責められている光景を普段から見ていれば、いざ自分が当事者になった時、同じようにとらえてしまうのも当然のことです。
そうして、AさんはBさんを観察することにより、そしてBさんはCさんを観察することにより、ラーメン屋の行列ができていく。
そしてもし、
Aさん 観察する↓↑影響を与える Bさん 観察する↓↑影響を与える Cさん 観察する↓↑影響を与える Aさん ・ ・ ・
といったように、影響力のループができてしまっているとすれば、全員が自分ではない誰か(他者)の影響を受けて判断を決めているとも言えますし、見方を変えれば、自分の判断を決めた他者の判断は、さかのぼれば自分の判断が影響を与えた結果とも言えることになります。
このことからもわかるように、影響力のループは奥が深いですね。そして、だからこそ、組織変革を行うためには、向き合わなければならない難問です。
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