• 佐藤 和弘

推進派スタッフの「1/1の失敗体験」の重大性を理解する

「『配置』のマネジメントで8割が決まります」


「配置」「評価」「報酬」「育成」の4つのマネジメントのなかで、あえてこのように表現するほど「配置」のマネジメントは重要である。なぜならば、「配置」を一つ間違えるだけで、ともすれば推進派スタッフが辞めてしまいかねないからだ。


たとえ「評価」が不公平だと感じても期待しなければいいし、「報酬」が不十分だとしても患者さんからの「ありがとう」によってやりがいを感じるし、「育成」が不足していても自己研鑽すればいい。しかし、部署や職位などの「配置」が不一致であれば、1日8時間週5日間、その場所に居続ける中で、苦痛や抵抗感を感じ続けることになってしまう。


合理的には、「配置」を間違えれば元に戻せば良い。だが、一度去った部署に出戻りしたり、一度管理者になった後に役職を下されたりすることは、情理的にやはり苦痛や抵抗感を感じることとなる。


マネジメント側にとっては、何十例中の一例に過ぎないかもしれない。だが重要なのは、本人にとってみれば、それは一例中の一例なのである。


この「1/1の失敗体験」によって、その施設(組織)に幻滅し、本当に頑張っているスタッフが報われる現場を他の施設(組織)に求め、「退職」の道を推進派スタッフは選ぶ。あくまでも、(国家)資格を職人としての拠り所とする医療者にとってみれば、その資格をもって自分の能力を生かせる場所が他の施設(組織)にあれば、今の施設(組織)に見切りをつけることへの情理的な抵抗は少ないだろう。


現在は、施設(組織)が選ばれる時代である。だからこそ、「配置」のマネジメントにおいて、推進派スタッフの「1/1の失敗体験」の重大性を理解することが、ますます大切になってくる。

Recent Posts

See All

メタバースという流行り言葉の背景には、「非現実世界(バーチャル)を現実世界(リアル)に近づけていきたい」という、人間の自然な欲求があるように思います。 あくまでも、僕らが日々生活しているのは、今この瞬間も目の前に見えている現実世界であり、いかにこの現実世界を心身ともに豊かに過ごすかは、誰しもが関心を持つことだと言えます。 その上で、テクノロジーの進化によって、従来の文字や音声の世界から、画像や動画

「問題を正しく解決するよりも、正しい問題を解決することが大事」 もちろん、「問題を正しく解決する」ことも「正しい問題を解決する」ことも、両方大事です。ただ、正しい問題において間違った対策を実行すれば「解決できなかった」だけで終わるかもしれませんが、間違った問題を正しく解決しようとしてしまうと、本当の問題が解決しないだけでなく、それによって別の問題が起こってしまうかもしれません。その意味では、上記の

昨今、「パーパス(経営)」といった言葉が流行っています。「存在意義」と訳されることもあるパーパスですが、これは本来は「目的」という意味になります。経営単位であれ個別業務単位であれ、ある活動は目的を実現するための手段ですから、「何のためにその活動を行うのか?」という目的を押さえることは、これまでも、そしてこれからも重要であり、本来は普遍的なことです。 では、なぜ、このような整理をしたのかというと、と