佐藤 和弘
正しい問題のとらえ方2
Updated: Jan 28
2W1Hを考える上でよく例に出すのが、多くの医療現場で挙がってくるであろう、次の2つの事柄についてです。
「業務が忙しい」
「スタッフが足りない」
これらは、それぞれを個別に見ると、どちらも【問題】に見えます。そして、個別に見るのであれば、それは正しいと言えます。ただ、ここで大事なことは、ある【現状】において複数の【問題】が挙がってきた際は、それらの「関係性(つながり)」を見てみることです。すると、ある【問題】は、実は別の【問題】の【原因】であることがわかることがあります。
では、「業務が忙しい」と「スタッフが足りない」は、どちらが【問題】で、どちらがその【原因】に当たると考えられるでしょうか。結論を言えば、どちらにも当てはまるのですが、現場の半径5メートルを考えてみると、おそらく次の関係性のほうが自然だと言えます。
【問題】業務が忙しい
なぜならば↓↑それによって
【原因】スタッフが足りない
つまり、「スタッフが足りない」ということを嘆く現場の声は、スタッフが足りないことが【問題】なのではなく、本当は「業務が忙しい」ことが【問題】だととらえており、その【原因】として「スタッフが足りない」、だから【対策】としてスタッフを増やして欲しいと訴えている。そしてこれは、もし業務が忙しくなくなるのであれば、スタッフの人数はそのままでも良いととらえることができます。
ちなみに、先に「どちらにも当てはまる」と言ったのは、次のようにも考えられるからです。
【問題】スタッフが足りない
なぜならば↓↑それによって
【原因】業務が忙しい(ためにスタッフが辞めてしまう】
ただ、おそらく前者の関係性でとらえるほうが自然でしょう。いずれにしても、複数の【問題】は、それらの関係性を見ていくことによって、「(現場の半径5メートルの)本当の問題は何か?」を明らかにしていくことが大切です。
「本当の問題は何か?スタッフが足りないということなのか?それとも、業務が忙しいということなのか?」