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Writer's picture佐藤 和弘

江戸川メディケア病院で2度目の講演を行いました。




先月、東京都にある江戸川メディケア病院で2度目の講演を行いました。今回のテーマは「主任・係長のためのノンテクニカルスキル〜小さな成功をつくるために、身近な問題解決に取り組む〜」。


一般的に、「医療現場における問題解決」ということを考える際、医療という行為の特性上、「大きな問題に取り組まなければならないのではないか?」という認識を暗黙的に持ってしまいやすいかもしれません。ただ、大きな問題に取り組もうとすると、解決するまでに相当の時間と労力がかかり、それによって別の問題が起こったり、現場スタッフが疲弊するといったことが起こりかねません。


僕はよく「痛みが先、効果は後」という言い方をするのですが、効果、言い換えると成功体験を得るまでには痛みを伴う、という時間軸の違いがあります。だからこそ、痛みと効果の時間差をできるだけ短くするためには、小さな成功を目指し、意図的に身近な(小さな)問題に取り組んでいくということが大切になります。


このような「人は自然とあっち側に意識や行動が向かっていく」という現象は、さまざまな場面であるはずです。だからこそ、その場合は、意識や行動を「こっち側に引き戻す」という力(リーダーシップ)が求められます。


今回の研修では、研修や問題解決に取り組む方々にインタビュー形式でヨソ者がお話を伺うことで、参加者の方々により近い、ヨソ者では届けられない言葉を届けていただいたり、身近な問題を取り上げた問題解決プランの作成から学び合うなど、さまざまな学びをつくりあげていきました。


また、素晴らしいゲストの方が、グラフィックレコーディングによって、研修の内容を描いてくださいました。僕は、


「僕のスライドは見なくてもいいので、あちら(描いていただいたグラフィック)を基に、研修を振り返ってみてください」


このようなことを、繰り返し、参加者の方々にお伝えしました。


ノンテクニカルスキルの文脈でのグラフィックレコーディングの可能性は、まさに文字や言葉といった概念では表現しきれない医療現場という現実世界について、より映像レベルで具体的に表現できることです。

文字を通じて表現する問題解決プランも、より現実世界に近い表現をしようとしたら、【現状】【あるべき姿】【問題】【現状】【対策】に関する情報も、グラフィックで表現するほうがよい。言わば、「問題解決プランのグラフィック化」です。


このグラフィック化された問題解決プランを用いれば、文字では得られないさまざまな情報を基に、スタッフ間で共通認識を高め、問題解決の実行可能性を高めることができるのではないかと考えています。

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