先日は、東京の江戸川メディケア病院の役職者研修で講演しました。講演タイトルは「主任・係長のためのノンテクニカルスキル〜ミドルマネジャーの役割と組織で問題解決する技術〜」。
ミドルマネジャーの役割とは何か。それは、「翻訳家」として上司の指示や部下の意見を翻訳して伝えることです。
上司は「森(抽象的)」の視点で物事を考える立場にいるのに対して、部下は「木(具体的)」の視点で物事を考える立場にいます。森の視点と木の視点は見ている景色が大きく違うので、上司の指示にも部下の意見にも「それぞれの正しさ」があるけれど、だからこそ、お互いの考えを理解することが難しいということが起こりがちだと言えます。
繰り返しですが、基本的にそれは、それぞれの「立場」がそうさせるのであって、「能力」や「意欲」ではないととらえることが大切です。
このように、立場の違いからお互いの考えを理解することが難しいのであれば、それぞれの考えを理解し合えるように、「誰かが間に入って翻訳してくれたらなぁ」と考えるのは自然なことで、だからこそ、ミドルマネジャーは翻訳家として翻訳する役割を担うのです。そして、そのためには「具体と抽象の往復運動」を行う能力が求められます。
本研修のメインは、主任・係長としてのご自身の立場を踏まえたあるべき姿を描き、現状とのギャップを埋める問題解決プランを作成し学び合うセッション。一般に役職者は現場スタッフに対して数が少ないだけに、同じ立場にいる人たちと学び合えるこのような場はとても大切ですね。
最後は、AIと共生する医療現場のあるべき姿を描くために大いに参考になるであろうChatGPTの問題解決プラン作成の自動化の実演。
あと、ミドルマネジャーは「翻訳家」という話の際に、自分は「何屋か?」を考えることの大切さについて、僕自身を例に、次のように説明しました。
「僕は『ノンテクニカルスキル屋』ではなく『組織変革屋』です」
「組織変革屋なので、企画側の方々と(研修)前後にもいろいろとお話しするのです」
今回も、研修前後に有意義なお話しができました。
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