• 佐藤 和弘

流行り言葉を普遍的な言葉に翻訳してつなげる

昨今、「パーパス(経営)」といった言葉が流行っています。「存在意義」と訳されることもあるパーパスですが、これは本来は「目的」という意味になります。経営単位であれ個別業務単位であれ、ある活動は目的を実現するための手段ですから、「何のためにその活動を行うのか?」という目的を押さえることは、これまでも、そしてこれからも重要であり、本来は普遍的なことです。


では、なぜ、このような整理をしたのかというと、ともすると、「◯◯はもう古い!これからは△△だ!」といったように、流行り言葉として受け止められた言葉は、いずれ古い言葉だととらえてしまいかねないからです。


もちろん、「目的が大事だってことは、いろんな場面で聞くことなのでよくわかってます」といったように、当たり前すぎて逆に意識してもらえないことを防ぐために、意図的に流行り言葉を活用することは有意義でしょう。「最近はそんな言葉があるんだ!」といったように、流行り言葉を意識してもらえば、組織の中で共通認識を広めやすくなるかもしれません。


しかし、もし、その流行り言葉が組織に定着する前に古い言葉と受け取られてしまうと、「もう、その言葉って古いですよね」といったように、その事実自体が組織に定着させるうえでの壁になってしまいかねません。したがって、どのような流行り言葉を使ったとしても、その根底にある本質を組織に定着させるように、流行り言葉を普遍的な言葉に翻訳しておくことが大切になります。


これは、ノンテクニカルスキルのさまざまな個別スキルも例外ではありません。例えば、ノンテクニカルスキルの象徴的な個別スキルである「2W1H」も、字面を見れば、流行り言葉のように新しい言葉として受け止められるかもしれません。しかし、「問題」「原因」「対策」という言葉は普遍的な言葉であり、これらは古くならない言葉であるととらえるほうが自然です。であれば、たとえ2W1Hという言葉自体が古い言葉になったとしても、「問題解決は問題→原因→対策の順番で考えていく」ということが組織の中で共通言語(共通認識)として定着していれば良いのです。


ちなみに、「ノンテクニカルスキル」という言葉は、一見すると流行り言葉のように見えるかもしれませんが、実は普遍的な言葉だと言えます。なぜならば、医療スキルは、(大きく分けると)テクニカルスキル(専門技術)とノンテクニカルスキル(非専門技術)の2種類しかないからです。テクニカルスキルに対して、これ以上MECEになる表現はないですよね。ただ、万が一ノンテクニカルスキルという言葉が使われなくなったとしても、それぞれの個別スキルが普遍的な言葉として組織に定着していれば良い。


流行り言葉と普遍的な言葉。大事なことは、これらをつなげて認識していくことです。したがって、「最近◯◯という言葉が流行っているけど、これって昔からある△△という言葉と本質は同じかもしれない」といったように翻訳してとらえていくことがおすすめです。

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