「世界の情勢」 「この際だから」 「ウチはウチ」 「それはお前の仕事だろう」 「しかたなかった」 本書は、これら5つのありふれた言葉(一般用語)で昭和史をよむ。 このような「状況や背景を一般用語を用いて理解する」というのは、非常に重要な営みである。なぜならば、ある有事の組織の空気のなかで、「専門家」ではなく1人の「人間」としての喜怒哀楽や本性を垣間見ることができるからだ。 専門用語と一般用語。例に漏れず、これら2つには、メリットとデメリットがある。 専門用語のメリットは、一般用語では説明しにくい微妙なニュアンスを含んだうえで表現できることだ。 一方でデメリットは、「さも凄いことを言っていると思い込んでしまう」こと。一般用語でも説明できることを、わざわざ小難しい専門用語を使うと、他者からすれば何か「凄そう」に聞こえるし、本人もそう思い込む。そうすると、実はよくわかっていないのに、わかったつもりになりやすい。専門用語を使うことによる「虚像化現象」とでも言えるだろうか。 繰り返しになるが、専門用語にも一般用語にもメリットとデメリットの両方がある。したがって、どちらが良くてどちらが悪いといった単純な話ではなく、どのような「時と場合と人」によって、どちらのメリットを生かし、どちらのデメリットを避けるべきかを考えていくことが大切である。 「昭和」を点検する (講談社現代新書)
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「(できれば) 物事を論理的に考えたい」と思う人は多いでしょうが、論理的思考を身につけることは実際には容易ではありません。 論理的思考に関する書籍を何冊か読破した、あるいは(単発の)研修やセミナーで学んだといった段階に留まらず、何年にも渡り日々の日常業務のなかで繰り返し体験...
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