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  • Writer's picture佐藤 和弘

生成AIの理解は、中身よりも使い方

おそらく生成AIは「作る側」よりも「使う側」にあたる人のほうが圧倒的に多いはずで、現場医療者もまた、基本は後者にあたるという認識になるでしょう。


この投稿の文章を書いているスマホも、たとえ詳しい中身(構造)を知らなくても、使い方を知っていればメッセージを届けることができるように、生成AIを用いた医療現場の問題解決において大事なことは、あくまでも


「生成AIの理解は、中身よりも使い方」


ということを押さえておくことが、手段の目的化を防ぐ、つまり、生成AIの中身の理解を深めようとするあまり、いつの間にかそれ自体が目的化してしまい、肝心の問題解決に生かされないといったことを防ぐために大切だと言えます。


とはいえ、ある程度中身を理解することは、より良い使い方の理解につながりやすいでしょうし、生成AIを組織に導入していく際に、他者への説得力を高めるうえでも大切になるのではないかと思います。


なお、使う側としての生成AIにおいては


生成AI(大規模言語モデル)は何をしているのか? →次の単語を予測している


生成AIを使う際に大事なことは? →プロンプトを工夫する(例えば、タスクの説明や解き方*、考え方**を含める) →会話を繰り返す(人間側からフィードバックする)


生成AIを使ううえでの注意点は? →目的を押さえる(正しい答えを得たい?考え方の選択肢を増やしたい?) →個人情報や機密情報、知的財産(著作権など)の観点を踏まえたガイドラインの作成・運用


などを考慮しておくことが重要だと考えています。


*few-shot **Chain of Thought

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