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  • Writer's picture佐藤 和弘

知的好奇心の二面性

現場の問題を解決するためには、「何かを変える」ことが必要になります。何も変わらないまま、自然に問題が解決することはないからです。


何を変えるのかは、解決したい問題によってさまざまで、制度・仕組み(業務のやり方など)や環境だったり、スタッフの能力だったりします。なので、例えば指導(OJT)や院内研修(Off-JT)は、スタッフの能力を変えることによって問題を解決することが目的であることがわかります。


そして、そのようなスタッフの能力開発において注目すべきなのが、「知的好奇心の二面性」についてです。


知らないことを知りたいという知的好奇心があるからこそ、人は学習しようとする。だからこそ、知的好奇心は学習のための行動をとる源泉になると言えます。


一方で、いざ「知らないことを知る」と、そのことに満足してしまい、また別の知らないことを知りたいという学習の行動の源泉にもなってしまいます。言わば、「学習の目移り」です。


そして、この「学習の目移り」が起こってしまうと困難になってしまうのが、「反復練習」です。反復練習とは、「すでに知っていることを繰り返し行う、辛く、大変で、時間がかかり、面倒くさいこと」ですから、その意味で、新しいことを知った時の知的好奇心が満たされる楽しさがない。であれば、他の知らないことを知って知的好奇心を満たしたいと考えるのは、やはり自然なことだと言えます。しかし、それによって、


「あれもこれも学ぼうとすると、どれもこれも身につかない」


ことから、一向に(肝心の)現場の問題が解決されないまま、実務で苦労し続けるといった結果になってしまいかねません。


このように、知的好奇心の二面性、つまり


「学習のための行動をとる源泉」であるが 「練習のための行動をとらない源泉」にもなる


ということを理解しながら、スタッフの知的好奇心のマネジメントをしていくことが大切になります。

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