例えば、新たな業務を行うことを提案したものの、「ただでさえ今の業務が忙しいのに、そんなことをする暇はありません!」といったように、一部のスタッフから反発を受けたとします。
ですが、その後スタッフ1人ひとりに個別に話を聞いてみると、「私個人としては実は賛成だったんですが、◯◯さんから反対意見があったように、今の部署の(多忙で疲弊している)空気では、あの場で賛成とは言えなかったです」といった反応があるかもしれません。つまり、自部署の空気を読むと、反対意見に(沈黙という)同調をせざるを得なかったということです。
そして、この例が意味するのは、スタッフに個別に話を聞かなければ本人の考え(本音)わからなかったということ、そして、その場の様子だけでは、そのスタッフも反対意見に賛同しているように見えてしまう(思い違い)してしまうということです。
このことは、建前と本音の両方を把握する重要性にも通じますが、だからこそ、組織の空気とスタッフ個人の考えは意図的に分けてとらえるという姿勢が大切になります。
スタッフのその場での賛成意見は本当に賛成と考えているのか、反対意見は本当に反対と考えているのか、沈黙という同調は本当にその意見に賛成しているのか。
このように健全に疑うことは、その人(スタッフ)自身を疑うのではなく、その人の行動を疑うことによって、本人の「声なき声」に耳を傾けるために行うものなのです。
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