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  • Writer's picture佐藤 和弘

組織の2:6:2の法則と知の探索・知の深化

組織の2:6:2の法則を両利きの経営における「知の探索・知の深化」の文脈で考えてみると、推進派が知の探索の担当者にあたり、抵抗派が知の深化の担当者にあたることがわかります。


一見すると、名前からして推進派と抵抗派は対立関係にあるように思えます。しかし、両者は対立軸でとらえるよりも、それぞれ別の役割を担っているととらえるほうがよいと考えています。


問題設定型の問題解決に基づき、推進派にあたるスタッフが主導して、これまでにない新たなあるべき姿を描き、現状とのギャップを埋めていく。このような知の探索を行う中でも、一方では、日々通常業務は行われています。そして、あくまでもその恩恵を受ける患者さんが目の前にいる以上、粛々と通常業務を効率良くこなしていくために、知の深化を担うスタッフの存在も大切になります。それが抵抗派にあたります。


抵抗派とは、「このままでいい」「変わりたくない」「新しいことをやりたくない」といった現状維持を望む人たち。これまでの環境ややり方に過剰適応しているがゆえに、新しい環境ややり方に適応できないけれど、これまでの環境ややり方に過剰適応しているがゆえに、日々の通常業務を効率良くこなすことに長けた人たちであるととらえることもできます。


いくらイノベーションが大事だと言っても、明日になっていきなりあらゆる業務が根本的に変わるなんてことはなく、新しい業務とこれまでの業務が混在する(もっと言えば、あくまでもこれまでの業務が主としてあって、その中で新しい業務の芽が生える)と考えるほうが自然です。であれば、新しい業務を創っていく担当者と、これまでの業務をこなしていく担当者もどちらも大事で、どちらも現場に混在していると考えるほうが、やはり自然です。


推進派にあたるスタッフにとってみれば、抵抗派にあたるスタッフが日々通常業務を効率良くこなしてくれるからこそ、自分たちは新しいことに取り組むことができる。逆に、抵抗派にあたるスタッフにとってみれば、推進派にあたるスタッフが新しいことに取り組んでくれるからこそ、自分たちはこれまで通りの業務を粛々と行うことができる。


このように、推進派と抵抗派が知の探索と知の深化のそれぞれの担当者として役割を分担しているからこそ、お互いが望まないことをお互いにしなくてもすむ。両者がこのような視点で相手をとらえ、それぞれ(の役割)を尊重するほうが、お互いにとってハッピーではないでしょうか。

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