組織変革を進めていくと、目の前にボコボコと無数の落とし穴があるのだが、それに気づかずにあらゆる人たちが見事に落ちていく。「人は経験から学ぶ」という意味では良い経験学習になるが、下手をすると落ちるときに怪我をして、這い上がれなくなってしまうかもしれない。だから、様々な講演で色々な落とし穴の説明をしている。
そして、これも見事にハマる落とし穴。それは、「組織の2:6:2の法則を学びながら、すぐに抵抗派の話をしてしまうこと」である。
なぜ組織を2:6:2で分けるのか。それは、「抵抗派の話をするため」ではなく、「抵抗派の話をしないため」である。
組織は2:6:2に分かれるのが自然の摂理。それなのに、抵抗派を変えようとする。自然の摂理に人間が抗おうとしてはならない。抵抗派が2割いることを受け入れる。抵抗派を変えようと、不毛な多忙に自らを陥れない。抵抗派に時間と労力をかけず、その時間と労力を推進派にかける。その時間と労力によって、推進派が「本当に頑張っているスタッフが報われる」というロールモデルになり、次第に慎重派が真似をし出し、やがてポジティブな空気に変わっていくのである。
だからこそ、組織の2:6:2の法則を学んだ後は、抵抗派の話をしないことが重要。変革リーダーの一挙手一投足が、すべて組織変革(空気のマネジメント)のメッセージになる。
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