top of page
Writer's picture佐藤 和弘

組織変革の落とし穴


組織変革を進めていくと、目の前にボコボコと無数の落とし穴があるのだが、それに気づかずにあらゆる人たちが見事に落ちていく。「人は経験から学ぶ」という意味では良い経験学習になるが、下手をすると落ちるときに怪我をして、這い上がれなくなってしまうかもしれない。だから、様々な講演で色々な落とし穴の説明をしている。


そして、これも見事にハマる落とし穴。それは、「組織の2:6:2の法則を学びながら、すぐに抵抗派の話をしてしまうこと」である。


なぜ組織を2:6:2で分けるのか。それは、「抵抗派の話をするため」ではなく、「抵抗派の話をしないため」である。


組織は2:6:2に分かれるのが自然の摂理。それなのに、抵抗派を変えようとする。自然の摂理に人間が抗おうとしてはならない。抵抗派が2割いることを受け入れる。抵抗派を変えようと、不毛な多忙に自らを陥れない。抵抗派に時間と労力をかけず、その時間と労力を推進派にかける。その時間と労力によって、推進派が「本当に頑張っているスタッフが報われる」というロールモデルになり、次第に慎重派が真似をし出し、やがてポジティブな空気に変わっていくのである。


だからこそ、組織の2:6:2の法則を学んだ後は、抵抗派の話をしないことが重要。変革リーダーの一挙手一投足が、すべて組織変革(空気のマネジメント)のメッセージになる。

Recent Posts

See All

日常を忘れさせない学びの場づくり

一般論として、医療における研修は、現場業務という日常の場とは切り離された非日常の場になりやすいと言えます。たしかに、業務の合間に行われる研修は、その間だけは日常(の忙しさ)を忘れさせてくれる、休息の場という側面も実際にはあるでしょうし、そのような場があること自体は有意義でし...

自分自身の「感情」が、論理的思考を身につけることを邪魔する

「(できれば) 物事を論理的に考えたい」と思う人は多いでしょうが、論理的思考を身につけることは実際には容易ではありません。 論理的思考に関する書籍を何冊か読破した、あるいは(単発の)研修やセミナーで学んだといった段階に留まらず、何年にも渡り日々の日常業務のなかで繰り返し体験...

合理は他者ではなく自分自身に向ける

世間ではとかく「正論」という言葉が否定的な意味合いで使われがちです。 「それって正論だよね」 「正論なんて聞きたくありません」 これは、あらためて考えてみると、「正しい論理なのに間違っている」といっているようなものですから、一見矛盾する意見のように見えます。ただ、突き詰めて...

Comments


bottom of page