先月になりますが、群馬県立精神医療センターの職員研修【ノンテクニカルスキル実践編】(双方向型オンライン研修)で講演しました。ノンテクの基本を学ぶ基礎編に対して、まさに、学んだノンテクの実際の活用を通じて学ぶのが実践編です。
単発の研修では実現できないことは何か。それは「事実」を手に入れることです。例えば、研修で問題解決の考え方(問題解決の六大大陸)ことを学んだとします。もちろん、研修の中で問題解決プランの作成を練習することはできますが、その時点では現場での実践を伴っていませんから、作成した問題解決プランはあくまでも、「◯◯だろう」といったように「想像」の域を越えることはできません。これはつまり、あくまでも想像なので「なんとでも言えてしまう」ということを意味します。
一方で、継続的な研修で実現できることは、作成した問題解決プランに基づき、実際に現場で問題解決を行った結果という「事実」を基に学べることです。
想像<事実
と表現することもありますが、やはり、「◯◯だろう」という想像よりも、「◯◯だった」という事実が強い。自分の考えがどうであろうと、実際に目の前で起こった事実と向き合わざるを得ません。
さらに言えば、これは「事実は小説より奇なり」の世界から学ぶことを意味しています。実際に問題解決プランを実行してみると、思ったよりも上手くいったことや、逆に予想に反して上手くいかなかったといった「想定外の事実」が得られることもあるはずです。この想定外の事実を得るということは、自分の想像の世界を超える気づきを得るということだと言えます。
もちろん未来(あるべき姿)とは想像を実現していく世界と言えますから、想像の世界の解像度を高めることもまた、大切になります。だからこそ、想像力(想像の世界に向き合う力)と事実力(事実の世界に向き合う力)の両方が求められます。
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