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Writer's picture佐藤 和弘

群馬県立精神医療センター職員研修(ノンテクニカルスキル実践編)で講演しました

群馬県立精神医療センター職員研修(ノンテクニカルスキル実践編)で講演しました。


オンラインでの講演(双方向型オンライン研修(分散ハイブリッド型))で、テーマは「課題解決に必要なノンテクニカルスキルの活用の実際ー管理に必要な問題解決と組織変革の実践と難所の乗り越え方ー」。


ノンテクに関する基本的な考え方に関しておさらいした後は、各グループの問題解決シートを通した学び合い。「実践編」というだけあって、現場のリアリズムに基づく参加者の方々と講師による深い対話を通じて、さまざまな気づきや学びを量産していきました。


ここで、「複数の問題解決シートを通して学び合う意義」と「気づき」に関して、一般論的な考察を。


複数の問題解決シートを通して学び合う意義は、やはり共通点と相違点の両方から気づきや学びを得ることにあります。


たとえ職種や分野、部署、チーム、グループが違ったとしても、そこには共通点があるはずで、その共通点を共有することによって、ある出来事が起こった時に、「そういえば、この前の◯◯グループの問題解決シートを共有してもらった時に、◯◯という気づきがあった。あれを、今回の自分たちの出来事に当てはめて考えてみよう!」といったように活用することができます。


一方で、問題解決シートは、他の職種、分野、部署、チーム、グループがどのようなことを考えているのかを知る手がかりになるでしょう。なぜならば、そこには、


「どのように【現状】を把握しているのか?」 「どのようなことを【問題】ととらえているのか?」 「どのように行動(【対策】)していきたいと考えているのか?」


などが書かれているからです。なので、それらの内容を知り、自分(たち)との相違点をより把握しながら、他者についての理解をより深めていくのです。


その意味で、問題解決シートは、「自己紹介レター」であるととらえることもできます。

では、気づきとは何か。シンプルに言えば、「あ、その視点は考えてなかった!」といった反応を意味しているととらえることができます。


例えば、現実世界の一つの場面を切り取ったとしても、そこにはさまざまな登場人物がいるドラマのシーンがあるわけで、自分が押さえることができる視点には当然限界があります。だから、抜け漏れなく物事をとらえるという基本姿勢は大切なものの、そこにこだわり過ぎず、いかに他者が見ている視点を共有してもらうか(おすそ分けしてもらうか)を考えていくほうが現実的でしょう。


「実は、私にはこういう風にとらえています!」 「なるほど、その視点は考えていませんでした!」


講師は当事者ではない分、参加者の方々に比べて問題解決の事例を客観的にとらえることができる立ち位置にいます。ただ、もちろん逆に講師には見えていなかった視点を参加者の方々が教えてくれることもあります。そして、講師が気づかなかった視点を参加者の方々に教えてもらうことによって、その視点に講師が持っている視点をつなぎ合わせて、更なる気づきをつくり出すこともできます。


この、参加者の方々と講師による「気づきの連鎖」の共同制作。これが、双方向型教育の核心的な価値ととらえている「多様性を通じた学び合い」の恩恵を受けた学びの場づくりと言えます。

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