今回は、幹部クラスを対象にみっちり4時間。人材マネジメントの全体像(6本の大木からなる森)のなかから、選択と集中で優先順位づけしたある1本の大木について、その仕組みづくりを議論していった。
一般的に、問題解決の議論をするうえでハマりがちな落とし穴の1つが「そのテーマに関する知識を得ずに、頭の中にある知識だけで議論してしまう」こと。冷蔵庫の中に卵しかないのに、「どんな料理を作ろうか」と考えたところで、卵焼きか目玉焼きかスクランブルエッグなどしか作れない。普段の生活でも、食材がなければ当たり前のようにスーパーに買いに行くように、新たな問題解決においては、議論の前にまず、当たり前のようにそのテーマに関する知識を得ることから始めることが大切である。
したがって、1本の大木に関する具体的な議論に入る前に、そのテーマに関する異なる資料を文明の利器を使って学習し全体で共有。それらの知識を考えるための材料にしたうえで議論を始めた。
そして、実際の議論をしていくうえで見えてきた重要な論点は、「自分たちの中核的な提供価値(他の法人組織に対する持続的な競争優位性につながる本質的な強み)を理解する」ことの大切さ。突き詰めると、あらゆる現場業務は、直接的間接的に自分たちの中核的な提供価値に基づくものでなければならない。
加えて、もう一つの重要な論点が、「動画標準の仕組みを作る」ことの大切さ。事あるごとに言っている「現実世界は概念(文字)ではなく行動(映像)でできている」という考え方のもと、文字ではなく動画を標準とした仕組みづくりをしていくかが、これからVR、AR、MR標準に続くための現実解である。
最初に「みっちり」と書いたが、これらのようなことをリアルな議論を通じて考えていくと、4時間などあっという間。本当の意味で考えるとはそういうこと。それをトップマネジメントクラスが率先垂範することが大事。
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