先日は、Magic Shields主催オンラインセミナーで講演しました。テーマは「医療安全のためのノンテクニカルスキル基本編」。
いつもノンテクニカルスキルの4つの領域としてお伝えしている「考える力」「伝える力」「決める力」「動かす力」。医療安全においても、
【考える力】
思い込み
思い間違い
認識間違い など
【伝える力】
伝え間違い(伝達ミス)
伝えたのに伝わらなかった など
【決める力】
組織の決め事(議論して決めたこと)が間違ってた
決まり事をつくった時から状況や環境が変わった など
【動かす力】
行動の仕方が間違っていた
誤った行動を取った など
といったように、4つの領域に分けてとらえてみると、ノンテクニカルスキルの必要性がわかってきます。
一方で、医療安全を推進する役割を担うスタッフ、例えば医療安全管理者は、施設に1〜数名と少数であることが一般的だと思います。したがって、少数者として組織(多数のスタッフ)を動かすためには、説得力というコミュニケーションパワーが求められると言えます。
そのうえで、「説得力のメカニズム」を明らかにするためにも活用することをおすすめしているのが、問題解決の六大大陸(世界地図)です。
例えば、「◯◯を取り入れましょう」という提案。これは、【対策】にあたります。この【対策】の提案の説得力を高めるために、
「何のためにそれを取り入れなければならないのか?」←【目的】
「これまでの現場の状況や背景は?」←【現状】
「どうなるのが理想なのか?」←【あるべき姿】
「何を解決したいのか?」←【問題】
「なぜそれが起こってるのか?」←【原因】
という5つを明確にしていく。逆に言えば、ある【対策】の提案が受け入れられない場合は、これらのうちのどれか、あるいはすべてが明確になっていないのではないかと考えてみるのです。
問題は「行動」を通じてはじめて解決できる。このようにとらえると、やはり最終的には、行動の計画である【対策】の立案にかかっています。だからこそ、問題解決の六大大陸(世界地図)を使って、【対策】の説得力のメカニズムを明らかにしていくことが大切だと言えます。
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