昨日は、Magic Shiels主催オンラインセミナーで講演しました。先月の基本編に続き、医療安全のためのノンテクニカルスキル導入編。組織変革と空気のマネジメントについてや、ノンテクニカルスキルを組織に導入するための仕組みづくりのポイント、生成AIとノンテクニカルスキルの関係性などについてお伝えしました。
組織変革と空気のマネジメントに関連するのですが、「逆ドミノ倒し現象」と呼んでいる考え方があります。
「自分から倒れるのは勇気がいるので、誰か後ろから倒れてきてくれたら自分も倒れよう」
と皆が考えていると、結局誰も倒れることができない。一向にドミノ倒しが起こらないわけです。
人が他者の行動を見て自分の行動を決めることがあるのは、行動するためには「前例」が欲しいということなのでしょう。前例があれば参考にしたり真似ることができるため行動しやすいこともありますが、本質は、
「◯◯さんがやってるから私も同じようにやっただけです!」
「私より先に◯◯さんがやってました!」
といったように、前例によって自分を守るためなのではないでしょうか。ただこれも、善し悪しではなく、人は本来弱い生き物であるととらえると自然なことです。
だからこそ大事なのは「いっせーの」。組織のスタッフ全員で行動し、全員で前例をつくることです。自分1人が前例になるのは怖いですが、全員で前例をつくれば、自分に向けられる指摘(リスク)をその分減らすことができます。
「私もやりましたけど、皆もやりましたので!」
このように、組織の空気のマネジメントにおいては、スタッフが行動するうえでの「情理的な抵抗材料」を丁寧に取り除いていくことが大切になります。
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