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本当に頑張っている人が報われる組織へ

​リーダーは、抵抗派を変えることを健全に諦めて、自分の限られた時間と労力を誰に対して使うべきでしょうか。それは、本当に頑張っている人、つまり推進派です。

「あの人は放っておいても頑張ってくれるから」
と放っておかない

推進派に当たるスタッフとはどういう人なのか、それは例えば、リーダーから「あの人は放っておいても頑張ってくれるから」と言われる人かもしれません。ただ、だからといってリーダーが本当に放っておくことは、実は慎重派への次のようなメッセージになってしまいかねません。

「(推進派が)積極的に取り組みを行っても、(リーダーは)何もしてくれない。それどころか、いつも不満や文句を口にしているスタッフ(抵抗派)にばかり気にかけていろいろとしてあげている。これって不公平じゃない?頑張るほうが損をして、頑張らないほうが得をするなら、頑張らないほうがいいってことだよね」

人は不公平感を嫌う生き物であれば、リーダーシップやマネジメントにおいても、できる限り公平感を高めることが大切になります。では、組織変革における公平感とは何か。それは、まさに、組織をより良い方向へと変えるための行動を取っている人、言い換えれば、本当に頑張っている人にこそ、よりリーダー自身の時間と労力を費やすということです。そして、ここで言う本当に頑張っている人というのが、推進派に当たるスタッフです。

「頑張れば頑張るほど、(リーダーが)私をサポートしてくれる!」

​リーダーは、自身の行動を通じて、このようなメッセージをスタッフ全体に伝えることが大切になるのです。

リーダーは本当に頑張っているスタッフにより自分の時間と労力を使う

リーダーの子離れ問題に向き合う

一方で、本当に頑張っている人により自分の時間と労力を使う際に、押さえておくべきことがあります。それが、「リーダーの子離れ問題」と呼んでいる考え方です。

 

ともすると、優しい良きリーダーほど、「よかれ」と思って手や口を出してしまいやすいかもしれせん。ただ、自分が手や口を出すということは、スタッフ本人の成長機会を奪ってしまっていることにつながりかねません

 

スタッフからすると、リーダーに過度に頼ってしまうと、「自分の頭で考えるよりもリーダーに答えを教えてもらったほうが楽だ」と考えてしまったとしても、人は本来弱い生き物であるなら自然なことです。

もちろん、「よかれ」と思ってのことなので、不作為的なものではありますが、不作為的、つまり、自分にそのような意図がないからこそ、実はスタッフの成長機会を奪っている、言い方を変えれば、スタッフの「邪魔」をしているかもしれないといったことを意図的に考えておくことが求められるのです。

本当に頑張っている人により自分の時間と労力を使うということは、単に手や口を出すということではありません。放っておいても頑張ってくれる推進派に当たるスタッフができるだけ行動しやすいように、その弊害となるさまざまな要素を取り除いていくことも、リーダーの時間と労力の使い方なのです。

​組織変革のリーダーシップとは、さまざまな意味合いで「引き算」のリーダーシップなのではないでしょうか。

リーダーの子離れ問題に向き合う

© 2013 by Kazuhiro Sato

 

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