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生成AIに教える

「生成AIは超優秀な素人」​

​私は、生成AIに関して、よくこのように表現しています。言語に関する一般的な知識を手に入れた生成AIは、世の中のさまざまな物事を理解しているように見えますが、当然ながら、皆さんの施設(組織)の現場業務の実際を理解しているわけではありません。

 

これは、前のページで生成AIを活用して作成した「ある治療における物品間違えのインシデント」に関する問題解決プランを思い返してみてもわかります。なぜ、【現状】に関する情報は私が入力しなければならなかったのか。それは、もしあの出来事が実際に起こった場合、その【現状】に関する情報は、その場にいた当事者(人間)にしかわからないからです。

 

したがって、この超優秀な素人を実際に業務を行っていくことができる、皆さんの施設で求められる「専門家」に育てるためには、皆さん自身が業務に関するさまざまな物事を生成AIに教えることが大切になります。

​従来の使い方である「生成AIから教わる」から「生成AIに教える」への発想の転換は、前のページの問題解決プラン作成の(半)自動化に関するデモ動画でも取り入れられています。私が入力したのは【目的】と【現状】に関する情報のみで、特に指示していないのに、生成AIが【あるべき姿】【問題】【原因】【対策】に関する情報を生成したのは、裏(設定)でそのような生成を行うように指示しているからですが、実はそれ以外に、問題解決の六大大陸(世界地図)とは何かを生成AIが理解できるように私が教えているのです。

 

以下にその内容の全文をご紹介します。

(今後、さらに詳しい内容に更新していこうと考えていますので、以下の内容はあくまでも初期バージョンになります)

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問題解決の六大大陸(世界地図)とは、問題解決プランを「目的」「現状」「あるべき姿」「問題」「原因」「対策」の6つの論点で整理する考え方です。私は、日本の医療現場の問題解決を想定し、スタッフ(人間側)が「目的」と「現状」に関する情報を入力すると、それらの情報に基づいて、あなたに「あるべき姿」「問題」「原因」「対策」に関する情報を生成してもらうという、「問題解決プランの作成の自動化」を目指しています。 それぞれの論点に関する私の考え方を以下に示します。

目的:「何のために、その問題解決を行うのか?」「何のために、その現状をあるべき姿に変えたいのか?」といったことを明確にします。私は、目的というのは「希望」であるのに対して、あるべき姿はその目的が実現できている「未来の現実世界における具体的な状態」であるととらえています。

現状:「今の状況や背景はどのようなものなのか?」といったことを明確にします。私は、現状とは「現場で起こっているリアルなドラマ」であるととらえていますが、通常のドラマにはさまざまな登場人物がいるように、現場で起こっているリアルなドラマにも、さまざまな登場人物、つまり患者さんやご家族、そしてスタッフなどがいます。したがって、現状を明確にするためには、「登場人物を洗い出す」「登場人物の顔が見えるレベルまで具体的にする」ことをふまえながら、ドラマのように「映像レベル(行動レベル)」で具体的に表現していくことが大切です。

あるべき姿:「どうありたいのか?」「どうなりたいのか?」といったことを明確にします。これは、理想の姿とも言い換えられます。例えば、「1年後には、自組織はこういう組織になっている」といったように、未来の現実世界における具体的な状態を描くのが、あるべき姿を描くことだと言えます。あるべき姿を描く際も、現状と同様に、ドラマのように映像レベルで具体的に表現していくことが大切です。

問題:あるべき姿と現状のギャップを明確にします。問題がなくなる(解決する)ということは、現状があるべき姿に変わるということを意味します。また、複数の問題が挙げられる場合に大事なことは、それぞれの問題の関係性(つながり)を把握することです。例えば、問題Aと問題Bという2つの問題があった場合、実は問題Bは問題Aの原因にあたるといったことがわかるかもしれません。一方で、問題が独立している場合は、それぞれの問題に対して問題解決プランを作成していきます。

原因:問題がなぜ起こったのか?(起こるのか?)といったことを明確にします。私は、原因を考えるとは、対策を考えるための「ヒント」を集めることだととらえています。複数の原因が挙げられた場合は、それぞれの原因に基づいて対策を考えていきます。

対策:「どうすべきか?」「どうしたらいいのか?」といったことを明確にします。私は、対策を立てるとは「行動の計画」を立てることだととらえていますが、「何をするのか?」「誰がするのか?」「いつするのか?」といったことを盛り込み、実際に行動を取ることができる具体的なレベルで対策を考えることが大切です。

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生成AIに教える

スタッフが生成AIを専門家に育てる方法

医療現場で業務を行うスタッフの立場で考えてみると、超優秀な素人を自施設に特化した専門家に育てるために、生成AIモデルそのものを変えることは、当然ながら現実的ではありません。ただ、生成AIをつくる側の立場ではなく、あくまでも生成AIを使う側の立場として、一時的であっても、生成AIに学習させる方法があります。それは、人間側が教えたいことをプロンプト(指示文)に含めること。いわゆるIn-Context Learningです。

この方法を応用すると、生成AIに新たなノンテクニカルスキルを考えてもらうことができます。つまり、生成AIを活用して学習コンテンツの作成を自動化することができるのです。

​私は、以前より「ワンフレーズ・ノンテクニカルスキル」と呼んでいる、さまざまなノンテクニカルスキルの考え方をシンプルなキーワードで表現したものを、その説明とセットにして当サイトのブログなどで投稿しています。例えば、次のような内容です。

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「リーダーの子離れ問題」

リーダーが良かれと思って手や口を出すことによって、結果的にスタッフの成長機会を奪ってしまう。優しい良きリーダーほど陥りやすい。「何をするか?」ではなく「何をしないか?」を考えることが大切。

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では、このようなワンフレーズ・ノンテクニカルスキルをプロンプトに含めて生成AIに学習させることによって、新たなワンフレーズ・ノンテクニカルスキルを3種類考えてもらいましょう。それが、次のデモ動画です。

​​(学習させているワンフレーズ・ノンテクニカルスキルは複数になるため、動画内では1つひとつ見ていただかずに一気にスクロールしています。また、新たに作成した3種類のワンフレーズ・ノンテクニカルスキルの内容は動画を一時停止してご覧ください)

​続きは後日公開予定です。

生成AI×ノンテクニカルスキルのページを学ぶ際の注意点

© 2013 by Kazuhiro Sato

 

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