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Writer's picture佐藤 和弘

実務家の観点では「どちらの自動車(生成AI)が速いか?」より「どこにたどり着けるのか?」

生成AIの進化は目まぐるしく、毎日のように新しい生成AIが世の中に登場します。「スケール則」という考え方があるように、生成AIの開発はパワーゲームの世界で、かつてプラットフォーマーとして台頭した超巨大テック企業が、生成AI時代という新たな時代になっても、凋落するどころかさらに台頭していることは、日々のニュースでも実感できることです。


さらに言えば、言語生成AIの世界的なブームを牽引したChatGPTしかり、動画生成AIを世界的なブームを牽引するであろうSoraしかり、足の速さを競っている間に、いきなり自動車で遥か先に追い越していくことは予測できる一方で、いつどのようなサービスが突如世の中に出てくるかは不確実で予測できない、つまり「予測の中の不確実な予測」な状況である言えるのではないかと思います。


他方で、日々進化する生成AIにおける世の中の話題においては、「どちらの自動車の方が速いか?」といった性能に関する議論が多いのではないかと思います。ただ、現場スタッフ(実務家)を伴走する元実務家である組織変革屋の立場からすると、それよりも、「どこにたどり着けるのか?」の議論に選択と集中した方が良いと考えています。


「これまで徒歩ではたどり着けなかった場所に、生成AIという自動車を手に入れたことによって、初めてたどり着くことができる」


これは、言い換えれば、これまで見ることができなかった景色を見に行けるということを意味します。


このように考えてみると、日常生活の中で生成AIという自動車に乗る人にとってみれば、どちらの自動車の方が速いかどうかは、あまり関係がないことがわかります。自動車であれば、(正しく運転して道に迷わなければ)どちらに乗ってもいつかは行きたい場所にたどり着くことができるからです。


このことをふまえると、生成AIはさまざまありますが、


「使えるもの(生成AI)を使いましょう!」


というのが、組織変革屋からのメッセージになります。

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