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推進派への向き合い方
「あの人は放っておいても頑張ってくれるから・・・」 これは、推進派に当たるスタッフを象徴する言葉と言えます。 推進派は積極的に組織をよりよい方向へと変えていこうとする行動力があるため、ともするとリーダーは、自分が何もしなくてもいいものだと考えてしまいやすいかもしれません。 たしかに、優しいリーダーほど、「良かれ」と思って手や口を出してしまい、結果的にスタッフの成長機会を奪ってしまう「リーダーの子離れ問題」に対応するためには、意図的に「何をすべきでないか?」をふまえて、リーダー自身が自分をマネジメントしていくことは大切です。 ただ、人は本来弱い生き物であるととらえると、推進派もまた、強くあろうとしているだけであって、人としての弱さを持っていますから、直接手や口を出さないだけでなく、組織をよりよい方向へと変える行動を邪魔されない状況を意図的につくっていくことが、リーダーに求められます。 それは、やはり「抵抗派の声が届きにくい」状況がまず当てはまるでしょう。 組織を変えていきたい推進派と現状を変えたくない抵抗派は、基本的には目指す方向性が相反します。た
佐藤 和弘
Feb 17


「引き算の美学」を基本姿勢(拠り所)にする
さまざまな取り組みにおいて共通するのが、「引き算の美学」という考え方です。 例えば、業務改善。 AさんからBさんに業務を「わたす」のは、部屋の片付けでいうとリビングからダイニングに物を移動させただけで物(業務)自体は減っていませんから、まずは業務を「やめる(なくす)」という引き算で考えることが大切です。 例えば、プレゼンテーション。 あれもこれも伝えてしまって、どれもこれも伝わらないということにならないために、「何を伝えたいのか」だけでなく、「何を伝えないのか」も考えることが大切です。 例えば、リーダーシップ。 リーダーの子離れ問題(良かれと思って手や口を出すことが、結果的にスタッフの成長機会を奪ってしまうこと)に向き合い、「何をすべきか」だけでなく、「何をしないでおくべきか」も考えることが大切になります。 一方で、「引き算の美学」の実践的な難しさは、当事者自身が情理的な抵抗感を感じやすいことにあると言えます。 というのは、業務改善である業務をやめようとすると、その業務に強いこだわりのあるスタッフは反対するでしょうし、プレゼンテーションをシンプル
佐藤 和弘
Feb 13


「井戸端会議」を参考に映像レベルで具体的に伝える
組織全体で行う問題解決は、当時者が起こった出来事の【現状】に関する情報を整理し他のスタッフに伝えることが、ある意味での出発点になります。 この行為はまさに当事者から他のスタッフへのプレゼンテーションですが、そのプレゼンテーションの肝は臨場感、言い換えれば、その出来事の【現状】に関する情報を「映像レベルで具体的に伝える」ことです。 そして、そのうえで参考になるのが、実は、日常生活のなかで目にすることがある「井戸端会議」です。 「ちょっと聞いてくれる!?この前、〇〇さんからこんなこと言われてさぁ・・・」 当事者(伝えたい人)は、起こった出来事をどうしても伝えたくてしょうがない。その本気度が口調(や表情)などから伝わってくるので、聴いている人たちもその出来事の光景が目に浮かぶようにイメージできるわけです。 この時、たとえ当事者が理路整然と言葉を伝えているわけでなくても。 このことは、「プレゼンテーション」という言葉のとらえ方の選択肢を広げてくれます。
佐藤 和弘
Feb 12


問題意識の違いの正体
例えば、1つ目の画像に記載されたような出来事が起こった場合、その【現状】のどこの部分に注目するかによって、【あるべき姿】が変わり、それによって【問題】が変わってくることを表現したのが、次の3つの画像(問題解決シート)です。 もちろん、この一連の出来事の発端は治療条件の設定の間違いなのですが、それが ①治療時間の延長 ②説明についての理解・納得感 ③治療後の予定の変更 という3つの影響に関連してくることがわかります。 これは、当事者含めたスタッフそれぞれの性格や価値観、考え方などによって、どこに注目するのか、スタッフ間での【問題】意識の違いにつながりかねないことを意味します。 だからこそ、組織全体で問題解決を行っていく際は、このような言わば「無意識的な注目の癖」をふまえておくこと、そして、ある出来事においてどのような注目点があるのか、「注目点の選択肢」を抜け漏れなくスタッフ全体に提示することが大切になります。
佐藤 和弘
Feb 12
職位単位の配置のマネジメントと(国家)資格のDNA
人材マネジメントの6つの仕組みの一つである「配置」のマネジメント。この配置のマネジメントのポイントは適材適所に尽きますが、これには、以下の3つの単位があります。 ①「部署単位」の適材適所 ②「個別業務単位」の適材適所 ③「職位単位」の適材適所 この中で、実は見落としがちなのが③の職位単位の適材適所の配置のマネジメントだと言えます。というのは、スタッフが管理者になる指標は「現場経験年数」であるのが一般的でしょうが、そもそも、スタッフと管理者は、基本的に求められるスキルセットが異なるはずで、どちらのスキルを発揮することが本人に「向いているか」が重要だからです。 そして、そのスキルセットの違いをシンプルに言えば、以下の優先順位の違いであることがわかります。 スタッフ: ①テクニカルスキル ②ノンテクニカルスキル 管理者: ①ノンテクニカルスキル ②テクニカルスキル 現場業務を担うスタッフとしては、さまざまな専門的な業務をこなすテクニカルスキルが求められます。それに対して、管理者には、テクニカルスキルを発揮するスタッフを動かすノンテクニカルスキルが求めら
佐藤 和弘
Jan 11


2W1Hの二層化
例えば、「確認を徹底する」という【対策】を立てたにも関わらず、また同じような【問題】が起こったとします。本来、正しい【対策】を正しく実行できれば同じような【問題】は起こらないはずですから、【対策】を見直すことになりますが、その際の一つの方法が「2W1Hを二層化する」ことです。 「確認を徹底する」ということが大事だということは、本来わかっているはずで、であれば、そのわかっていることができない「理由」が現場にあるのではないかを考えていくことが大切になります。 ではどのように考えるのかというと、実はシンプルで、ある【対策】を立てた場合、その【対策】に「ことが大事だとわかっているのにできない」という言葉を付け加えて、それを【問題】として【原因】と【対策】を考えるという方法です。 上記の例で言えば 【対策(一層目)】確認を徹底する ↓ 【問題(二層目)】「確認を徹底する」ことが大事だとわかっているのにできない ↓のはなぜ? 【原因(二層目)】手順が明確に決められていなかったために、スタッフごとに独自の確認の仕方になっている ↓どうする?...
佐藤 和弘
Jan 10
あるべき姿を描くことが最も難しい理由
【目的】【現状】【あるべき姿】【問題】【原因】【対策】の6つの論点(大陸)からなる問題解決の六大大陸。これら6つの論点の中で、最も考えるのが難しく、かつ、考える習慣をつけにくいのが、【あるべき姿】でしょう(考える習慣をつけにくいから、考えるのが難しいとも言えます)。 【目的】とはそもそも抽象的な「概念」ですから、「最善の医療を提供する」「安全安心の医療を提供する」「患者中心の医療を提供する」といったように、医療機関の理念に掲げるような言葉を紡ぎ出すことはイメージしやすい一方で、その【目的】が実現できている未来の現実世界を具体的な「場面」で表す【あるべき姿】は、ある意味、【目的】とは表現方法において対極にあるととらえることができます。 【目的】抽象的な「概念」 ↓↑ 【あるべき姿】具体的な「場面」 そのうえで、例えば「最善の医療を提供できている具体的な場面をロールプレイで再現してみてください」といざ言われると、おそらく戸惑うでしょうか。誰にとって何をもって最善の医療と言えるのか、簡単に答えを出せる問いではないからです。 さらに言えば、診療報酬制度に
佐藤 和弘
Dec 19, 2025


一般化・平均化の罠
問題解決の文脈で、さまざまな機会に伝えていることに「一般化・平均化の罠」と呼んでいる考え方があります。 例えば、目の前に100人いて、50人がメガネをかけていて、残りの50人がメガネをかけていない場合、平均すると「片目だけメガネをかけている人」と言えますが、実際には目の前には誰一人としてそのような人はいません。 このことが意味するのは、一般化・平均化すると、「皆に当てはまるようで、実は誰にも当てはまらない答えになってしまいかねない」ということです。 もちろん、一般化・平均化のすることにはメリットがあって、それは一言で言えば「コミュニケーションが楽になる」ことでしょう。「これはこれ、あれはあれ、それはそれ」といったように個別に説明する手間が省けるからです。 たしかに「日本人は」「医療者は」「患者さんは」といったように主語を大きくすれば、ひとつの主張で済むので、あれこれと説明する必要がなくなり楽ではあるでしょう。しかし、仮に「日本人は真面目だ」といった意見があっても「平均的にはそうかもしれないけど、自分は真面目じゃないなぁ」と思う人もいるはずです。い
佐藤 和弘
Dec 13, 2025
「身体性」と「現実世界(現場の半径5メートル)への接続」という人間側の圧倒的な優位性
人は、何か自分に強く自信のあることを持っていれば、他のことはたいてい寛容になる生き物だととらえてみると、「次の単語(トークン)を予測する」という方法で、あれだけ瞬時に、膨大な情報を、論理的に生成する生成AIを脅威に感じるかどうかもまた、人間側が何を自信として持っているかによって変わってくるでしょう。 このことに関して、医療現場においても、少なくとも当面の間は人間側の圧倒的な優位性として自信を持てることが、「身体性」と「医療現場の半径5メートルへの接続」です。 例えば、ある出来事が起こった際、言語生成AIは、テキスト(文字)や音声を通じてその【現状】を把握しなければなりませんが、身体的に【現状】を把握することができるスタッフ(人間)と、テキストや音声でしか【現状】を把握できない言語生成AIとでは、受け取ることができる情報は雲泥の差になると言えます。 では、よりマルチモーダルにカメラで映像認識すればどうかというと、確かに視覚的な情報(これはもちろん大事)は受け取ることができますが、例えば、その場を支配する空気はどうやって把握できるでしょうか。まさに、
佐藤 和弘
Dec 3, 2025
さまざまな考え方に「*個人差があります」という言葉をつけてみる
「人は本来弱い生き物である」 よく、組織変革の文脈で伝えている考え方ですが、もちろんこれは、皆が一様に弱いわけではなく、程度の違いがあるでしょうし、「いや、私は弱くない!私は強い!」と思う人もいるかもしれません。 このように、ある考え方を基にしながらも1人ひとりの個性に向き合うためにおすすめなのが、「*個人差があります」という言葉をつけてみることです。 ——————————————— 人は本来弱い生き物である* *個人差があります ———————————————
佐藤 和弘
Oct 22, 2025


医療者は「医療業界のアスリート」
アスリートが日々の練習を通じてそれぞれの種目に必要なスキルを身につけるように、医療業界のアスリートである医療者もまた、日々の練習を通じて業務に必要なスキルを身につけることが求められます。 ただ、毎日が業務という試合である医療現場においては、さまざまなスキルを身につけるための十分な練習の時間をあらためて確保することは、現実的には難しいでしょう。であれば、健全な妥協を行い、現場業務の「外」で練習の時間をつくるのは(ある程度)諦めて、現場業務の「中」で練習の時間をつくらざるを得ないことになります。 これが、僕が「現場の研修化」と呼んでいる考え方です。 本来、どんな業務においても、何かしらの学びがあるはずですが、次から次へと業務をこなさなければならない状況において、目の前に現れる学びを無意識的に飛び越えてしまうために、なかなか成長実感を得られないということは、往々にしてあるのではないでしょうか。だからこそ、「意図的」という言葉が大切で、さまざまな業務を行っているその瞬間に、意図的に振り返って「教訓の引き出し」を行っていくことが求められます。...
佐藤 和弘
Oct 14, 2025


機嫌と医療の質と情理のリアリズム
「朝に上司の機嫌が悪いので、報告すべきことがあるのに躊躇してしまう」 一般的に、このような経験は日常よくあることでしょう。それだけに見過ごされがちかもしれませんが、これを医療の質観点から眺めてみると、意味合いが変わってきます。なぜならば、このことは...
佐藤 和弘
Jul 1, 2025


抽象化した後は再具体化を忘れない
現場業務における複雑な出来事を概念的に理解するために抽象化することは大切です。ただ、概念は行動するためにあると考えてみると、抽象化した後は、再度具体化することを忘れないこともまた大切になります。 例えば、ある出来事(行動)を通じて、リーダーシップは「何をしないか?を決めるこ...
佐藤 和弘
Jun 29, 2025


本人にとってどう都合が良いのかを考える
組織の2:6:2の法則を用いると、ともするとスタッフ一人ひとりの個性が見えなくなってしまいそうに思えますが、実はむしろ逆で、個性に目を向けるために、あえてスタッフを推進派、慎重派、抵抗派に分けてとらえます。 例えば、あるミーティングで発言しない慎重派に当たるAさんは、本当は...
佐藤 和弘
Jun 28, 2025


(未来の)自分を守るために他者のミスを批判しないようにする
「他者のミスを批判しない」 というと、相手のことを思いやるといった利他的な印象がありますが、ここで注目したいのはそのような美しい話ではなく、 「ミスを責めると自分が同じミスをした時に逆に責められますけど、大丈夫ですか?」 という問いについてです。...
佐藤 和弘
Jun 27, 2025


他施設の事例から学ぶ際は、自施設との共通点と相違点を往復運動する
他施設の事例を知ることは大切ですが、ともすると、自施設との共通点だけを見出して「ウチのやり方は間違っていない!」と安心材料にしたり、相違点だけを見出して「やってることが違うから参考にならない!」と諦めてしまいかねません。...
佐藤 和弘
Jun 24, 2025


論理は内向きに働き、議論は外向きに働く
個人の情理(本音)に素直に従えば、自施設全体のことより自部署のこと、自部署のことより自分自身のことといったように、論理は内向きに働くと言えます。 一方で、組織の合理に従えば、自分自身のことより自部署のこと、自部署のことより自施設全体のことといったように、議論は外向きに働くこ...
佐藤 和弘
Jun 22, 2025


沈黙という同調は賛同ではない
空気をポジティブに変える鍵を握る、組織の多数派である慎重派。その慎重派が自分(たち)を守るために利用する防具が「沈黙という同調」です。 そのうえで大事なことは、この「沈黙という同調は賛同ではない」ととらえておくことです。「賛成も反対もしない」ということにこそ意味があるからで...
佐藤 和弘
Jun 21, 2025


ズレた論点は否定せずに保留する
議論を正しく導くためには、以下の3つのステップを回していくことが大切です。 ①あるべき論点を明確にする ↓ ②今の論点を明確にする ↓ ③あるべき論点に戻す 一方で、例えばあるスタッフがあるべき論点(本来議論すべき論点)とズレた論点に関する意見をしたとします。その際、「いま...
佐藤 和弘
Jun 20, 2025
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