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「組織変革の考え方」リニューアル解説1
「組織変革の考え方」の最初のページ( https://www.medi-pro.org/work )では、まず、「個人学習の限界と空気の支配の恐ろしさ」について、あるミーティングの場面を想定しながら説明しています。 この場面において、スタッフAさんが目線で訴えかけたにも関わらず、スタッフBさんが下を向いて口を閉ざしたのは、一見するとスタッフCさんの影響だけが原因のように見えますが、実はそうではありません。それは、Bさんが言っているように、他の皆も沈黙していたため、あの場全体の空気として、Aさんの提案に賛成できなかったと言えるからです。 それがもし、同席していたスタッフDさんもスタッフEさんもAさんの提案に賛成する発言をしていたならば、おそらくBさんも賛成する発言ができたはずです。 組織ができればそこに空気ができ、人が空気に支配される以上、ある場面におけるスタッフの一見非合理的な行動を理解するためには、一旦個人から離れて組織の空気の影響について把握していくことが大切になります。
佐藤 和弘
Nov 10


「ノンテクニカルスキルとは」リニューアル解説2
「問題解決の2W1H」のページ( https://www.medi-pro.org/aboutnontech2 )では、問題解決という料理をつくるためのレシピである2W1Hを使っていない議論(Before)と使った議論(After)の例を掲載しています。 問題解決なので、問題を押さえることは当たり前に感じますが、実際の議論では、問題がヨコとタテに動いてしまいがちではないでしょうか。 ヨコとは、別の問題の話にズレてしまうこと。 タテとは、実は本当の問題は別にあるのに、表面的な問題を話してしまうこと。 タテに関しては、「問題解決の六大大陸(世界地図)」のページの「ハサミの問題」という項で詳しく説明しています。
佐藤 和弘
Nov 1


「ノンテクニカルスキルとは」リニューアル解説1
まず最初に、テクニカルスキルとノンテクニカルスキルの4つの領域について説明しています(1つ目の画像)( https://www.medi-pro.org/aboutnontech )が、そう言えば、なぜこの4つの領域に分けているのかを説明し忘れていたので、後日追加するかもしれません。 ではなぜ、他でもないこの4つの領域に分けているのかというと、「業務の順番」に基づいていると考えているからです(2つ目の画像)。 医療現場では、日々さまざまな個別業務が行われていると思いますが、それぞれの業務は基本的に、自分の頭で考え、他者に伝え、やることを決め、その内容を基に動いていくという順番の繰り返しで成り立っているととらえることができます。 であれば、それぞれの業務で求められるノンテクニカルスキルも、この順番に基づいて把握していくことは、実務的に相性が良く、かつ理にかなっているはずです。 ちなみに、世の中にはさまざまな分類があると思いますが、ChatGPTにこの4つの領域の分類について聞いてみたところ、3つ目の画像のように整理し結論づけました。
佐藤 和弘
Oct 31
さまざまな考え方に「*個人差があります」という言葉をつけてみる
「人は本来弱い生き物である」 よく、組織変革の文脈で伝えている考え方ですが、もちろんこれは、皆が一様に弱いわけではなく、程度の違いがあるでしょうし、「いや、私は弱くない!私は強い!」と思う人もいるかもしれません。 このように、ある考え方を基にしながらも1人ひとりの個性に向き合うためにおすすめなのが、「*個人差があります」という言葉をつけてみることです。 ——————————————— 人は本来弱い生き物である* *個人差があります ———————————————
佐藤 和弘
Oct 22


医療者は「医療業界のアスリート」
アスリートが日々の練習を通じてそれぞれの種目に必要なスキルを身につけるように、医療業界のアスリートである医療者もまた、日々の練習を通じて業務に必要なスキルを身につけることが求められます。 ただ、毎日が業務という試合である医療現場においては、さまざまなスキルを身につけるための十分な練習の時間をあらためて確保することは、現実的には難しいでしょう。であれば、健全な妥協を行い、現場業務の「外」で練習の時間をつくるのは(ある程度)諦めて、現場業務の「中」で練習の時間をつくらざるを得ないことになります。 これが、僕が「現場の研修化」と呼んでいる考え方です。 本来、どんな業務においても、何かしらの学びがあるはずですが、次から次へと業務をこなさなければならない状況において、目の前に現れる学びを無意識的に飛び越えてしまうために、なかなか成長実感を得られないということは、往々にしてあるのではないでしょうか。だからこそ、「意図的」という言葉が大切で、さまざまな業務を行っているその瞬間に、意図的に振り返って「教訓の引き出し」を行っていくことが求められます。...
佐藤 和弘
Oct 14


機嫌と医療の質と情理のリアリズム
「朝に上司の機嫌が悪いので、報告すべきことがあるのに躊躇してしまう」 一般的に、このような経験は日常よくあることでしょう。それだけに見過ごされがちかもしれませんが、これを医療の質観点から眺めてみると、意味合いが変わってきます。なぜならば、このことは...
佐藤 和弘
Jul 1


抽象化した後は再具体化を忘れない
現場業務における複雑な出来事を概念的に理解するために抽象化することは大切です。ただ、概念は行動するためにあると考えてみると、抽象化した後は、再度具体化することを忘れないこともまた大切になります。 例えば、ある出来事(行動)を通じて、リーダーシップは「何をしないか?を決めるこ...
佐藤 和弘
Jun 29


本人にとってどう都合が良いのかを考える
組織の2:6:2の法則を用いると、ともするとスタッフ一人ひとりの個性が見えなくなってしまいそうに思えますが、実はむしろ逆で、個性に目を向けるために、あえてスタッフを推進派、慎重派、抵抗派に分けてとらえます。 例えば、あるミーティングで発言しない慎重派に当たるAさんは、本当は...
佐藤 和弘
Jun 28


(未来の)自分を守るために他者のミスを批判しないようにする
「他者のミスを批判しない」 というと、相手のことを思いやるといった利他的な印象がありますが、ここで注目したいのはそのような美しい話ではなく、 「ミスを責めると自分が同じミスをした時に逆に責められますけど、大丈夫ですか?」 という問いについてです。...
佐藤 和弘
Jun 27


他施設の事例から学ぶ際は、自施設との共通点と相違点を往復運動する
他施設の事例を知ることは大切ですが、ともすると、自施設との共通点だけを見出して「ウチのやり方は間違っていない!」と安心材料にしたり、相違点だけを見出して「やってることが違うから参考にならない!」と諦めてしまいかねません。...
佐藤 和弘
Jun 24


論理は内向きに働き、議論は外向きに働く
個人の情理(本音)に素直に従えば、自施設全体のことより自部署のこと、自部署のことより自分自身のことといったように、論理は内向きに働くと言えます。 一方で、組織の合理に従えば、自分自身のことより自部署のこと、自部署のことより自施設全体のことといったように、議論は外向きに働くこ...
佐藤 和弘
Jun 22


沈黙という同調は賛同ではない
空気をポジティブに変える鍵を握る、組織の多数派である慎重派。その慎重派が自分(たち)を守るために利用する防具が「沈黙という同調」です。 そのうえで大事なことは、この「沈黙という同調は賛同ではない」ととらえておくことです。「賛成も反対もしない」ということにこそ意味があるからで...
佐藤 和弘
Jun 21


ズレた論点は否定せずに保留する
議論を正しく導くためには、以下の3つのステップを回していくことが大切です。 ①あるべき論点を明確にする ↓ ②今の論点を明確にする ↓ ③あるべき論点に戻す 一方で、例えばあるスタッフがあるべき論点(本来議論すべき論点)とズレた論点に関する意見をしたとします。その際、「いま...
佐藤 和弘
Jun 20


理由をどこまで伝えるべきかを考える
正しい行動を取るためには、結局は、行動の計画である対策を立てることが大切になります。そしてこれは、他者に伝えるうえでは、対策という論点が結論ということになり、その他の5つの論点がそれを行う理由というように構造化できることを意味します。...
佐藤 和弘
Jun 19


「なぜ?」を繰り返す際に陥りがちな罠
問題解決において、原因を表面的な理解に留まらず深掘りしていくために、「なぜ?」を繰り返していくことは大切です。 ただ、「なぜ?」を繰り返す際に陥りがちな罠が、問題との「距離」が遠くなって混乱しかねないということです。 例えば、ある機器の操作の確認ミスという問題の原因を深掘り...
佐藤 和弘
Jun 17


スタッフの意見を聴きすぎない力
リーダーがスタッフ一人ひとりの意見を聴くこと自体は、もちろん大切です。このことには、現場の半径5メートルの情報を把握するという意味合いと、「私はあなたの意見に耳を傾けていますよ」という意思表示という2つの意味合いがあるからです。...
佐藤 和弘
Jun 16


「やる」前に「やめる」を基本行動にする
業務改善は次の4つの「順番」で考えることが大切になります。 ①やめる(なくす) ↓ ②減らす ↓ ③わかりやすくする/やりやすくする ↓ ④(他者に)わたす ある問題解決において新たな業務を行うことになった場合、少なくとも実際に問題が解決するまでの間、基本的には一時的に業務...
佐藤 和弘
Jun 16
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