
生成AIにフィードバックする
人間にできることと生成AIにできることのギャップが日々埋まり続けるなかで、それでも現状では人間側に圧倒的な優位性があると考えていることがあります。それは、「身体性」と「現実世界への接続」です。
PCやタブレット、スマートフォンを通じて使用する生成AIは、身体を持っているわけではありません。ということは、身体全体を使ってさまざまな出来事を認識している人間と同じことはできないことになります。人間のように自然な会話はできますが、言語に関する一般的な知識を膨大なWeb上で公開されている文章や書籍を通じて獲得しているのであれば、それはあくまでも人間側がつくったテキスト(文字)を前提としているのであって、生成AIが自ら身体性を持って獲得したのではないことがわかります。
さらに、生成AIが身体性を持っていないということは、スタッフ(人間)が複雑な業務を行うように、医療現場という現実世界で実際に行動することはできないことになります。AIエージェントもコンピュータ(バーチャル)上での業務を自律的にこなすことはできますし、ロボットと組み合わせれば物品の運搬などもできます(もちろん、これらも実務に対して相当な影響が期待できます)が、膨大な現実世界(リアル)の業務のうち、どれだけの業務を代替することができるでしょうか。これが、ここで言う現実世界への接続という意味合いです。
そして、この「身体性」と「現実世界への接続」という圧倒的な優位性を人間側が持っている以上、問題解決は、人間側が生成AIにさまざまな現実世界に関する情報をフィードバックしていくことが重要になると言えます。
一方で、フィードバックするという営みは、人間同士のコミュニケーションでも自然に行われていることがわかります。例えば、自分に言い間違えがあったら「ごめん、◯◯じゃなくて△△だった」と伝えますし、相手に思い違いがあれば「あ、そうではなくて、こうなんです」と伝えます。
それに対して、生成AIを活用する際には、一往復の質問応答で完結しようとする考え方が暗黙の前提になりやすいのではないでしょうか。あくまでも次の単語(トークン)を予測している以上、生成AIが間違うこともあれば、こちらの意図が伝わらずに期待した答えが返ってこない場合もあるでしょう。ですが、そのような場合も、人間同士のコミュニケーションと同様に、「そうではなくこうです」「このような考えるほうが良いのではないでしょうか」といったように繰り返しフィードバックすればいいことがわかります。
これらのことに関して、生成AIが考えた【あるべき姿】【問題】【原因】【対策】に関する情報に対して、私がスタッフ役になってフィードバックする様子について、次のデモ動画をご覧ください。ここでは、【あるべき姿】に関してフィードバックしてみます。
続きは後日更新を予定しています。

