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生成AIに教育者になってもらう

医療において、教育は現場業務の土台と言えます。さまざまな業務を行ううえで、スタッフには、その1つひとつにおいて「できないことができるようになる」ことが求められるからです。ただ、日々多忙な業務をこなす中で、スタッフがスタッフに対して指導を行ったり、講師(外部者)を呼んで研修を行うのには限界があります。

一方で、もし、指導を行うスタッフや講師の代わりに生成AIに教育を行ってもらえたらどうでしょうか。極端な話、生成AIは24時間365日、不特定多数のスタッフに対して教育を行うことができます(しかも人間のように疲れません)から、人間が人間に教育を行うからこそ考えなければならない、さまざまな制約から解放されることになるでしょう。

では、ここから、私が新人スタッフを演じ、ノンテクニカルスキルの個別スキルの1つである問題解決の六大大陸(世界地図)について、生成AIに教育者になってもらいながら学んでみたいと思います。

 

以下に、そのためのプロンプトの全文をご紹介します。すべての論点(大陸)について教育してもらうのは時間がかかるので、ここでは【目的】に関して学ぶ段階までをご紹介します。

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私は、ノンテクニカルスキルをこれから学んでいきたいと考えている新人スタッフを演じますので、あなたはノンテクニカルスキルの教育者として、「問題解決の六大大陸(世界地図)」に関して、私の理解が深まるようにわかりやすく教えてください。その際、以下のルールに基づいて指導してください。

 

ルール1:問題解決の六大大陸(世界地図)の6つの論点1つひとつについて、「何を考えることが大切なのか」に対する理解を深めるように指導してください。

 

ルール2:いきなり答えを教えるのではなく、「何を考えることが大切なのか」に関する答えを自分で見つけられるように、問いかけを通じて導いてください。

 

ルール3:ルール2の問いかけは、それぞれの論点に関して、3回ずつ行ってください。

 

ルール4:ルール3に基づき問いかけを行っても私が答えを見つけることができなかった場合は、答えを教えてください。

ルール5:問いかけを3回行った後は、私の回答をふまえて学びを整理してください。

 

ルール6:私のモチベーションが下がらないようにフォローしながら指導してください。

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「情理的な中立性」という生成AIの核心的な価値

これまでのデモ動画でご覧いただきたように、生成AIは医療現場の業務を大きく変えるインパクトがあることが想像できますが、私は、ある意味、さまざまな情報を瞬時かつ論理的に生成できること以上に、生成AIの核心的な価値があると考えています。

 

それは、私が「情理的な中立性」と呼んでいるものです。

​生成AIは人間ではありませんから、人間のような感情を持っているわけではないと言えます。したがって、人間同士が行うコミュニケーションであれば、時に自分が相手の感情を傷つけることもあれば、相手から自分の感情を傷つけられることもあるでしょうが、生成AIに対して、そのような感情を配慮する必要はないことになります(とは言っても、人間と同様に配慮しながら生成AIとコミュニケーションを取るという姿勢は大切かもしれませんが)。これは、コミュニケーションのストレスという観点で、大きな違いがあるのではないでしょうか。

 

そして、このことは、このページでご紹介した「生成AIに教育者になってもらう」というテーマにも深く関わってきます。

 

もし、あるスタッフが学びたいことがあった場合、人間(スタッフや講師)が教育者であれば遠慮するかもしれませんが、生成AIが教育者であれば、遠慮なく質問したりすることができるでしょう(それも、24時間365日いつでも)。これが、情理的な中立性という核心的な価値を持っている生成AIに教育者になってもらうメリットだと考えています。

なお、この情理的な中立性という核心的な価値は、人間同士のコミュニケーションの対立における「緩衝材」になるとも考えています。

 

例えば、あるスタッフが提案したいことがあったとしても、別のスタッフの反感を買ってしまうものであれば、たとえその提案自体が正しいことであったとしても、言い出すことは難しいかもしれません。

 

そのような状況において、もしその提案が生成AIの生成結果として示されたものであればどうでしょうか。特定のスタッフの意見ではありませんから、誰を責めることもできませんし、生成AIを責めても「暖簾に腕押し」です。結果、スタッフ同士の直接的な対立を防ぐことができるかもしれません。

​「この内容は、私の意見ではなく、生成AIが示したものですので、一旦、この客観的な内容に関して議論してみましょうか」

情理的な中立性

続きは後日の更新を予定しています。

生成AI×ノンテクニカルスキル
生成AI×ノンテクニカルスキルのページを学ぶ際の注意点

© 2013 by Kazuhiro Sato

 

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