共通言語として当たり前に使われる組織文化の醸成
- 佐藤 和弘
- Jun 4
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「組織が変わるとは、『言語』が変わること」
このようにとらえてみると、組織変革において実現したいあるべき姿は、組織で新たに獲得したスキルが、「共通言語として当たり前に使われる組織文化に醸成されている状態」だと言えます。
そのうえで、このあるべき姿を実現するためには、大きく2つの視点が重要になると考えています。
1つは、「組織学習(組織練習)の継続化」です。アスリートが練習を繰り返してスキルを身につけるように、メディカルアスリートである医療者も、1つのスキルを練習を繰り返して身につけていかなければ、「そのスキルを知っている、説明できる」という段階から「そのスキルを(現場業務で実際に)使える」という段階にまで到達することは難しいはずです。個人(私はそのスキルを使える)ではなく組織(私たちはそのスキルを使える)を前提にすればなおのこと。
では、たくさんの研修を実施すれば十分かというと、そうではありません。たとえ研修という非日常かつ舞台が整った状況の中でそのスキルを使えるようになったとしても、現場という日常かつ舞台が複雑に変わり続ける状況の中で実際にそのスキルを使えるような仕組みがなければ、
「どのような業務の場面で使えばいいのか?」
「このスキルを使って業務を行ってもいいのか?」
さらに言えば、
「他のスタッフが使っていない中で、私だけこのスキルを使ってしまうと、後で他のスタッフから『◯◯さんだけ(他のスタッフと)違うやり方で業務を行ってるんですけど』といったように、批判されてしまうのではないだろうか?」
といったように、「そのスキルは実際に使わないほうが無難な理由」は、挙げようと思えばいくつも挙げることができてしまいます。
だからこそ、このように情理の面まで考慮したうえで、「この業務のこの場面でそのスキルを使ってもいい状態」を意図的につくることが大切になります。これが、ここでいう「業務への組み込み」です。
組織学習を継続しなければ、「使える」状態にならない。一方で、業務へ組み込まなければ、「使ってもいい」状態にならない。
このようにとらえると、両者が不可分の関係にあることがわかります。
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