機嫌と医療の質と情理のリアリズム
- 佐藤 和弘
- Jul 1
- 1 min read

「朝に上司の機嫌が悪いので、報告すべきことがあるのに躊躇してしまう」
一般的に、このような経験は日常よくあることでしょう。それだけに見過ごされがちかもしれませんが、これを医療の質観点から眺めてみると、意味合いが変わってきます。なぜならば、このことは
「たった1人の機嫌ひとつで医療の質が変わりかねない」
ということを表しているからです。
先ほどは、わかりやすいように上司を例に出しましたが、機嫌一つで現場の意思決定や実行の質が変わりかねないという意味では、「長年その部署に在籍しているベテランスタッフ」の場合もあれば、「入職したての新人スタッフ」の場合もあるでしょう。
これらのことが意味するのは、誰が対象であれど、「機嫌」というものが医療の質に影響しかねないという危うさを理解しておくことの大切さについてです。
もちろん、だからといって、ここでは「医療者たるもの、機嫌に左右されてはならない!」といった主張をしたいわけではありません。人間は感情を持った生き物ですから。
むしろここで言いたいのは、だからこそ「機嫌」という誰しも持ちうるパワーと影響力を侮らないこと。そのことを含めて現場の情理のリアリズムをとらえることです。
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