組織の空気の支配に抗えずに不合理な行動を取った者を合理で責めても意味がないどころか、それは本人の傷口に塩を塗る行為といっても過言ではない。
本人にとってみれば、(他者から見れば)不合理な行動であることは、言われなくてもわかっている。わかっているのに「やらざるを得なかった」、「そうするしかなかった」のだから、それは「仕方がなかった」のである。
変革リーダーは、これらの言葉を単に本人の「言い訳」だと受け流してはならない。「とてもじゃないけれど、表立って抵抗派のせいだとは言えないんです。だから、せめてそのことだけは気づいてくださいよ」という悲痛な叫びを無視すればするほど、推進派は報われず、慎重派は抵抗派の仮面を被り、抵抗派の声は大きくなる。
したがって、変革リーダーには、「やらざるを得なかった」「そうするしかなかった」「仕方がなかった」という言葉の背景にある声なき声に気づく力が求められる。
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