医療者は「医療業界のアスリート」
- 佐藤 和弘
- Oct 14
- 2 min read

アスリートが日々の練習を通じてそれぞれの種目に必要なスキルを身につけるように、医療業界のアスリートである医療者もまた、日々の練習を通じて業務に必要なスキルを身につけることが求められます。
ただ、毎日が業務という試合である医療現場においては、さまざまなスキルを身につけるための十分な練習の時間をあらためて確保することは、現実的には難しいでしょう。であれば、健全な妥協を行い、現場業務の「外」で練習の時間をつくるのは(ある程度)諦めて、現場業務の「中」で練習の時間をつくらざるを得ないことになります。
これが、僕が「現場の研修化」と呼んでいる考え方です。
本来、どんな業務においても、何かしらの学びがあるはずですが、次から次へと業務をこなさなければならない状況において、目の前に現れる学びを無意識的に飛び越えてしまうために、なかなか成長実感を得られないということは、往々にしてあるのではないでしょうか。だからこそ、「意図的」という言葉が大切で、さまざまな業務を行っているその瞬間に、意図的に振り返って「教訓の引き出し」を行っていくことが求められます。
そして、ここでのポイントは、その教訓の引き出しという営みを軽くするという、言わば教訓の引き出しの「軽量化」だと考えています。
例えば、あるスタッフが難しい手技を的確に行えた際、
「よくできますね!それってコツって何なんですか?」
「そうですねぇ。あらためて考えてみると、見える部分よりも見えない部分に注目して行っているかもしれません」
といったように、「コツ」という日常の言葉を使いながら、自然な会話の中で教訓を引き出す。この例では、ほんの15秒くらいのやり取りで、教訓を引き出したことになります。
このように、教訓の引き出しの軽量化を行うということは、医療現場の現実(実現可能性)に引き寄せていくことを意味しています。



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