ある問題が起こった際に「なんでそうなったの!?」といったようにふと使う「なんで?」という言葉。注意が必要なのは、何を目的にこの言葉を投げかけるのかを明確にしておくことです。
本来、ある問題に対する「なんで?」という言葉は、「原因を探す」ことが目的です。なぜならば、問題の原因に基づいて対策を立てて実行することによって、その問題を解決する(今後、同様の問題が起こらないようにする)ことに意味があるからです。
一方で、作為的に、あるいは不作為的に、この本来の目的に混ぜ込む、あるいは置き換えてしまうのが、「本人を責める」という目的です。むしろ、実際に「なんで?」という言葉を相手に伝える時は、こちらの目的が主になってしまうことが多いのではないでしょうか。
では、肝心の相手が責められていると感じているかの確認方法はシンプルで、「なんで?」という言葉を使った際に、本人から「ごめんなさい」といった言葉が返ってきたら、「本人を責める」ことを目的として「なんで?」という言葉を(意図的でなくても)使ったことになるととらえることができます。
このことが意味するのは、特にノンテク for Kidsの観点においては、できるだけ早い段階で、「なんで?」という言葉に対して、「本人を責める」ととらえさせないこと、そして本来の目的である「原因を探す」ための言葉であると自然に(当たり前に)とらえられるようにしていくことです。
考えてみれば、例えば先の投稿で取り上げたように「コップを倒して中身がこぼれた」という問題が起こったとして、その際に本人が「ごめんなさい」といったように謝る必要はないはず。なぜなら、自分の飲み物がこぼれて損をしたのは他者ではなく本人だからです。こぼれた中身は自分で拭いてまた注げばいいし、他者に手伝ってもらった場合は、その人に「ありがとう」と伝えればいい。
大事なことは、自分であるべき姿と現状のギャップを埋める力を、日常生活の中で身につけてもらうことです。もちろん、ある問題が起こって誰かが何らかの損をしたのであれば本人に謝ることも大切ですが、「なんで?」という言葉に対して「責められている」という思いが強過ぎるあまり、本来身につけるべき自ら問題解決する力を養うことに目を向けられなくなってしまうことは避けるべきことだと言えます。
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